人気ブログランキング |

<   2012年 08月 ( 2 )   > この月の画像一覧

「はっとイタリアーナ」

"Gli hatto all'italiana" che ho fatto all'inizio di questa estate. Erano buonissimi. Forza Marumitsu!

 気仙沼の丸光食品の「はっと」を使った「はっとイタリアーナ(イタリア風はっと)」。オリジナル。とても美味でしたよ、と例によって自皿自賛。はっとをニンニクの利いたたっぷりのオリーブオイルで炒め、そこにトマトとパセリを合わせただけの簡単料理で、オリジナルと胸を張るようなことではないのだけれど。敢えて言えば、トマトのざく切りをホワイトバルサミコで軽く和えた辺りがシゴトと言えなくもない。

 「はっと」というのは気仙沼辺りの郷土料理。うどん生地でつくったニョッキみたいな感じ、という感じ。この「はっと」の生産者である丸光食品も津波で壊滅的な被害を受けた。現在、復興に向けて懸命に歩みを進めているところ。その過程を、僕は、セキュリテ被災地応援ファンドというところを通じて、とてもとてもささやかながら応援しているところ。

b0018597_013798.jpg

by mono_mono_14 | 2012-08-21 00:17 | 味/buono | Comments(0)

連載・東北紀行(第11回)

11.女川町
 女川町(おながわちょう)の周辺の町村は、石巻市と合併したのだが、原子力発電所を持つ女川町は、その合併とは無縁のまま女川町を貫いている。玄海町と唐津市の関係と同じ構造だ。その是非はまた別の問題だし、僕には深く立ち入る知見もない。ただ、あ、同じなんだなとの思いを持つのみだ。
 女川町を訪れたのは朝の9時前。やはり濃い霧がかかっていた。海に近いながらも海抜16mほどの小高い位置にある女川町立病院へ向かう。この病院の1階半ばまで津波が押し寄せた。市街地の浸水深が20m近い計算になる。駐車場から市街地を見やる。すぐそこにある海から津波がやってきて、この辺りの市街地がほぼ完全に水没したことになるが、その光景を想像することは難しかった。眼前には鉄骨造と思われる3階建てがひっくり返って屋上をこちら側に向けている。その他にも転倒した鉄骨造・鉄筋コンクリート造の建物がいくつもある。ひしゃげて横たわるオイルタンク。そこにあったものではなく、湾を渡って運ばれてきたものらしい。
 ゆっくりと海沿いに車を走らせる。地盤沈下が激しく、応急処置が施された道路は、地盤面から70cmほどは嵩上げされている。道路面からさらに陥没している宅地もある。沈下の深さは1mに達しているかも知れない。海の中に建っているかのような建物があるが、そうではない。地盤沈下でふ頭が浸水してしまっているのだ。その壁面は、巨大な鉄球が直撃したかのように凹み、抜け落ちている。ものすごい圧力がかかった様子が見て取れる。海は、湖のように凪いで穏やかな表情を見せていて、このコンクリートの壁を打ち破ったりすることなど、どうやってもできそうもない。海がそこまで凶暴になれるとは、津波を覚悟していたはずの地元の人たちにも、もしかすると想像できなかったことだったかも知れない。やませの中に消えていく穏やかな海面と、辺りに広がるとてつもない光景とのギャップ。
 海辺の市街地から町立病院を振り返る。病院に向けて避難階段が伸びている。いざという時に駆け上るための階段だ。この階段を上りきれば津波にやられることはない。そう思えるくらい、病院は、十分に高い位置にあるように見えた。
 次の街へと移動する。女川の海を背に石巻へと向かう。道路沿いには更地になってしまった土地が続き、脇の斜面に沿って少し上がった辺りに家並みが残っている。冷酷な運命のコンターライン(等高線)。その境界へ身を置く経験は持てぬまま、車窓から食い入るようにその風景を見ていた。

b0018597_23135975.jpg
町立病院から市街地を臨む。想像できない津波が残した爪痕。

b0018597_23141921.jpg
転倒したRC造3階建て。大地と接していた基礎を顕わにしている。

by mono_mono_14 | 2012-08-20 23:14 | 街/citta | Comments(0)