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Wouter Hamel『hamel』

 友だちが勧めてくれたので、あまり疑うこともなく見かけたおりに購入していた『hamel』。なかなか聴く機会を持たないまま3週間ほどが経っている。聴いてみた。

 ウーター・ヘメル(Wouter Hamel)というオランダのジャズ・ボーカリストが自らの姓を掲げたデビュー作は、基本的にはジャズ・ボーカルで、ジャケ写のあどけない若者顔からはちょっと想像できないような、深みと甘さのある歌声が流れる。クリスマシーなフランク・シナトラとかナット・キング・コールみたいな(どんなだ)。演奏は紫煙が漂うようなジャズ(どんなだ)からはポップに寄った仕上がりで、コンピューターも使ってる(と思う。ライナーに明記はないけれど、「all additional instruments」に含まれているんじゃないか)。古き良きジャズに立脚しながらも、21世紀の若造感も吹き抜けている。

 スィンギーで心地よいオープニングの「details」、ちょっと山下達郎フレイバーな(どんなだ)「cheap chardonnay」、暖炉が似合いそうなバラッド「just what i need」、歯切れのいいピアノが印象的な「fantastic」、斜に構えたキーボードと端正なボーカルの対比が小気味いい「breezy」、ブラシに載せたロマンティックなワルツ「ride that sunbeam」、ビッグバンドのような爽快感ある「a distant melody」、「nothing's any good」は一転してスローでジャジー、さらに一転してクラビィなビート感に包まれた「interpretation of love」、スタカンっぽくもあるアップテンポでゴージャスな「don't ask」、ムードのあるギターをバックにしっとり歌う「would you」、裏路地的な翳りのある(どんなだ)「useless fraud」、といった感じの多彩なラインナップ。日本版ボーナストラックとして、朗らかで脳天気なゴチソウサマ感に満ちた(どんなだ)デュエットの「as long as we're in love」、コットン・クラブのような空間を想起させる「maybe i'll enjoy it next year」の2曲が収められている。

 ややごった煮感がないではないけれど、ジャズとソウルとポップをほどよいバランスで融合させたキャッチーで聴きやすい1枚。でも、なぜだか打ってつけのシチュエーションが今一つ思い浮かばない。もう少し若いコたちが誰かの家で飲んだくれる時とかか。どんな時だ。何て言うか、こういうのを聴いてしまうおマセな高校生になりたい(高校生の子どもがいてもちっともおかしくはない年齢で言うことではないが)。
by mono_mono_14 | 2008-03-21 21:02 | 音/musica | Comments(2)

葱と黒七味のパスタ

b0018597_155492.jpg 葱と黒七味のスパゲッティをつくってみて、結論から言えば思ったほどの味わいに仕上がらなかったのは、塩気か酸味を足す必要があったのか。黒七味が足りなかったのか。日本人としては、いかにも醤油を垂らせば解決しそうではあったのだが、そうではない(つまりはもう少しイタリアンな)解決策を見つけたい。アンチョビのような気がしつつも違うような気がするし、パルミジャーノのような気がしつつも違うような気がする。醤油か。いや、だからそれじゃない解決策を探したいという話だ。何しろ使っている食材は僕の好みを射抜き放題なわけなので、どう考えても、もっと美味しくなるだろうと思えてならないわけなのだ。
 とは言え、僕の自皿自賛能力は衰えるところを全く知らず、深夜1時からつくり始めたこのパスタをヱビスビールとともに美味しく平らげたのではあった。
 教科書というか参考書はこちら
by mono_mono_14 | 2008-03-19 15:06 | 味/buono | Comments(0)

Jovanotti『Safari』

Per me "Capo Horn" e' il bellissimo disco di Lorenzo Jovanotti. "Safari" uscito in quest'anno che ora ascolto mi pare che abbia la qualita' quasi stesso livello di Capo Horn, e' forte, romantico, lirico, complesso, maturo, positivo, ...dammi altri aggettivi appropriati. Comunque e' bello.

 しばらく前に覗いた新宿のタワレコでライオン顔が面出しされていて一も二もなく購入。Jovanotti『Safari』。特設サイト、あり

01:オープニングはすでにシングルカットされている「fango」。心地よいコトバの響き。柔らかな旋律。ポジティブなヴァイブ。発音と語感の二重奏が描き出すジョヴァノッティの歩む地平のなんとたおやかなこと。佳曲。ギターでベン・ハーパーが参加。
02:「mezzogiorno」はアメリカンなポップ・ロック。ベースが醸し出す高揚感あるグルーヴ。ウーリッツァー、ギター。爽快にブロウしまくる陽気なホーンたち。
03:穏やかで叙情的な(卒業式のような)曲調のバラッド。ポジティブな告白のような「a te」。印象的なストリングス。若人よ、卒業式でかけて泣け(別の場所でも書いたな、このフレーズ)。いい曲。素晴らしい。
04:「dove ho visto te」、うまく言えないけどチャレンジングな感じ。一聴して膝を打つような曲ではないのだけれど、興味深い。カエターノ風と言うか。いや、カエターノも詳しくないのだけれど。
05:「in orbita」。前曲と似てるニュアンス。組曲なのか。胸騒ぎする感じのアレンジが悪くない。特にホーン。
06:タイトル曲「Safari」。白眉。文句なしのハイライトトラック。ネグラマロとのコラボは、かの「Cade la Pioggia」への応答と受け取るのが順当。いくぶんレトロスペクティブなファンクのグルーヴには、ジョヴァノッティのやんちゃ魂が存分に染み渡っている。ジュリアーノとふたりでたたみかけるクライマックスのボーカルは気圧される勢いがある。加えて、少し後期のスタカン風味あり。
07:続く「temporale」でコラボレーションしているのは、スライ&ロビーなるジャマイカのリズム隊らしいが(雰囲気、シブすぎ)、いわゆるレゲエ風味とは少し違う独特のビビッドさのある実験色に溢れている。主旋律はちょっと脇に置き、リズム隊に意識を割くと、どえらくかっこいい。
08:「come musica」。ジョヴァ節だだ漏れ。ジェンテデッラノッテ的な。伸びやかなサビメロ。ストリングスのアレンジ。ただ、その前の4曲が実験的なので、その後に聴くと少し日和ってるように感じちゃったりする汚れつちまつた僕なのであった。
09:再び前曲とセットであるかのような展開。組曲なのか。「innamorato」。タイトルにふさわしい穏やかさと切なさとポジティブさ。
10:コラボ三昧のこのアルバムでも、やはり驚きを禁じ得ないセルジオ・メンデス登場。「punto」。おお、ボサ・ジョヴァ。異様な(そして偉大な)まったり感。濃厚。いろんな意味で。サザンっぽいな。桑田佳祐はセルメンなんだな。
11:オリエンタルなラップ。呪文のよう。タイトルも「antidolorificomagnifico」と十分に呪文っぽい。僕はさほど惹かれない。
12:エンディングは「mani libere 2008」。僕的にはいまひとつ惹かれないままアルバムが終わるのがやや残念。アジテートなメッセージのような気がする。

 僕は、『Capo Horn』の内気な人のよさとか控えめな陽気さとか形容したくなるような、あの色合いがとても好きなのだが、この『Safari』は、『Capo Horn』のコドモの素朴な芯を残したまま、たくましく成長したオトナのようなアルバムだ。『Buon Sangue』は、次段階突入宣言のようなアルバムだったが、『Safari』は、その新しい段階の音楽が着実に成熟の途をたどっていることを感じられる。全体的にオトナな実験意欲に満ちている。マンネリ的定番料理を期待するお口には微妙に合わない可能性もあるが、いや、聴くほどに染みてくるところがある。いい。アッパレやろう。

 僕が入手したのは通常仕様だが、2枚組だか3枚組だかのデラックス版が存在するようで、日本でも出回るようになったら、きっと買ってしまうだろう。
by mono_mono_14 | 2008-03-05 19:36 | 音/musica | Comments(10)

宮本常一『塩の道』

 おもしろい。おもしろすぎる。宮本常一の『塩の道』を読んでいるのだが、もう、おもしろすぎて仕事にならない。あ、仕事にならないからおもしろいのか。
 かつて、いたいけな男子学生だった頃、ひとまとめにすれば「社会科」と呼ばれる授業をおもしろいと思ったことはほとんどなかった僕であるが、いや、歴史も地理もおもしろい。それがクワランタということだ。もういいって。

 『塩の道』には、「塩の道」、「日本人と食べ物」、「暮らしの形と美」の3編が収録されていて、そのどれもが、つまるところ僕らの先祖はどうやってどんなふうにこの国のあちらこちらで暮らしていたのかということの一端を物語っている。
 宮本が精力的に情報収集を行ったのはゆうに半世紀前のことで、今日から見れば誤った説に依拠している部分があったりもするのだそうだけれど、そうだとしても宮本が拾い上げ、語り残しているほんのちょっと前の日本のことが、ほんのちょっと後の僕の血となり肉となりそうに思えることに、まったく変わりはないことなのだ。大げさだって。

 読み終えてもいないうちにこんなものを書いてしまったけれど、読み終えずに積んどくことにはならないのは間違いないし、読み終えてみたら実はイマイチだったというオチにはならないことも明らかだから、いいことにする。
by mono_mono_14 | 2008-03-05 16:41 | 本/libro | Comments(0)

袋の底のリーフレット

Una presentazione di amicizia che ho trovato oggi mi ha beato.

 徹夜明けの火曜日。赤坂の焼肉屋で高校時代の友だちと飲む。高校入学からは四半世紀が経とうとしていることは全員で笑い飛ばし、胃カメラ検診の話題に移る。それがクワランタということだ。

 ニューヨークのMoMAが改装されてわりとすぐの頃に現地を訪れたヤツが持ち帰ってくれた土産をようやく受け取る。空路はるばる運ばれてきたしょうもない土産が無造作に突っ込まれた袋の底の方に、MoMAの館内案内のリーフレット、そのイタリア語版がもっとぶっきらぼうに入っていた。いいヤツだな。
by mono_mono_14 | 2008-03-04 23:59 | 雑/quotidiana | Comments(0)

春。

b0018597_118121.jpg 春。それは恋の季節。・・・などと思ったことはなく、ここ十数年ほどは仕事の締切がどっとくる季節としか思えず、とりわけ4月を待たずに桜が散り始めてしまったりする最近の東京では、ちょっとしたお花見すらも逸機する。そんな季節だ。
 それでもやはり春の訪れが悪いわけではなく、今日中に/今週中に/今月中にやらなければいけないことから目をそらしながら(そらすのか)、春を楽しむようにしたい。
 というわけで(?)、とりあえずわが家のせせこましい洗面所にも無理やり呼び寄せてみた。
by mono_mono_14 | 2008-03-03 11:09 | 雑/quotidiana | Comments(0)