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Paul Weller『22 Dreams』

 ポール・ウェラーの新譜『22 Dreams』は、まだよく聴き込んでいない。が、『As Is Now』に続いてリリースされるにしては、・・・奥歯にものを挟めてからしゃべるが、ひゃけにふぃひょーなしあふぁりだにゃ(やけに微妙な仕上がりだな)、と思った。奥歯にものが挟まったというよりは、ほとんどの歯が抜けてしまったようだったぞ? そこは気にするな。
 手堅いウェラー節ロックと言えなくもないが、何て言うか、どうも音と一緒に行き詰まり感めいた気配がゆらりと漂っている。既聴感あるレトロスペクティブな印象なのは、さして問題ではないが、僕の耳にはどうにも中途半端な印象がぬぐい去れない。スタカン時代の『コンフェッション〜』や、ソロでは『イルミネーション』や『ヒーリオセントリック』のような、手放しで入り込んでいけない感じがある。「聴かせたい」という極よりは、「演りたい」という極に近寄っている印象があると言うか。アーティストとしてはそれでも構わないわけだが。あるいは、“B-Sides”みたいと言うか。CDやダウンロードの時代にB面? そこは置いておけ。
 つまるところ、一聴してキャッチーな仕上がりではなかったので、ディテールを聴き込みながらしばらく試してみる必要がある。いや、そんな必要はないのだけれど、そうしたい、という意味だ。そこに至らない段階ながらもふと感じたのだが、このアルバムの音は、少しキレイに言えば、自分を含む西洋ポピュラー音楽史に捧げるトリビュート(あるいは鎮魂)のようでもある。キレイか、これ? そこは問うな。
 ロックとポップスとファンクとジャズとブルースをまたぎながら、要は、地に足を着けてやりたい音楽を演ってんだ、というだけなのかも知れない。ウェラーがその足を着けている地は、アーシーな土っぽい地平と言うよりは、ジャケ写のように草っぽい。そこが、50歳を迎えて枯れてきた味わいもどこか瑞々しい所以ではないか。それなりにホメて終わりたい僕なのであった。これ、ホメてる? ま、そこはいいじゃん。新譜が出たわけなんだからさ。聴き込んでみますとも、もちろん。デラックス盤? 買いますとも、もちろん。



 ・・・以上を概ね書いてしまったところで、ロッキング・オンのインタビューを立ち読んだ。演りたいのを演ったらしいことがわかった。あと、僕が感じた「行き詰まり感めいた気配」や「中途半端な印象」に相当する(ように思う)キブンに、ロッキング・オンは「実験的」という語を充てていた。うまい。
by mono_mono_14 | 2008-07-01 15:35 | 音/musica | Comments(0)
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