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藤森照信『人類と建築の歴史』

Ho letto un libro tascabile sulla storia di architettura scritto da Terunobu Fujimori chi ha fatto la mostra nipponica nella decima Biennale di Venezia. Un mezzo di questo libro mi e' parso un ghiribizzo e l'altro mezzo mi e' sembrato un gran sogno. Cioe' e' bello, forse.

 いくらか思うところがあり、藤森照信『人類と建築の歴史』など読んだ。いまさらながら。2年も前の本。ちくまプリマー新書というシリーズで、たぶん、子ども(幅の広すぎる定義だが)にも読めて理解できることを念頭に編まれているのだと思う。
 いちおう建築史の本だが、建築史的な知識を学べるわけではない。と言うか、いわゆる建築史的な知識はほとんど学べない。ヨーロッパの旅行ガイドブックの方が遙かに建築史的知識に溢れているだろう。では、そんな本をなぜ読んでいるのかと言えば、いくらか思うところがあるからで、それは伏せる必要もないので明かしてしまえば、日曜に著者の藤森照信の展示を観に行く予定だからだ。実は、より主たる理由があるのだが、そちらはいささか照れるので伏せておく。

 この本のすごいところは、その構成にある。我々の祖先がマンモスなどを食していた頃(旧石器時代)から現在までの建築の歴史を6章立てで説いているのだが、第1章から第4章までかけてもまだ青銅器時代にしか到達していない。そして、続く第5章で青銅器時代から産業革命までを一気に語ってしまうのだ。そして第6章で20世紀をさらって終わる。
 この本で示されているのは、まさにタイトルの通りに、人類が建築に何を託してきたか、人類の歩みが建築にどう表されてきたかということだ。学術的な確かさはさておいたファンタジーでもってそれを熱く語っているのだ。半ばははったりで、半ばは夢なのだ。そういう本だと思って読む方がいい。そういうふうに読んだ方がおもしろく読めるし、それでいて、どこかしら核心を突かれたような読後感が得られる。
 ね、こうだったらおもしろいと思わない!? いやぁ、こういうことがやりたいんだよねぇ。といった類のことを、ややもすると周りをうんざりとさせたりしながらも、ワクワク語るような成分(人間なので性分と書いてもいいが)に欠ける僕は、この本から溢れ出で続けるそんな成分=性分を煎じ薬にして飲み干したいような気分がした。
by mono_mono_14 | 2007-05-12 13:54 | 本/libro
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