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玉川上水

Ad una mostra fotografica intitolata "Acquedotti di Tamagawa" mi sono visto tante le foto espressive dell'acqua. Sono state belle e mi sono piaciute molto.

 今朝だったか、昨日の帰り道だったか、地下鉄で玉川上水駅から徒歩1分だというマンションの中吊り広告を見かけた。玉川上水駅ってどこさ、と路線図に目をやると、それはどこだかわからないような遠くだった。立川の上の方に位置していた。これじゃ東京には通えないじゃんなどと毒づいたことを思い浮かべながら地下鉄を降りた。

 よく晴れた気持ちのいい連休の谷間(つまりは仕事の日)のランチがてら、書店に足を向けると、上階にあるポートレートギャラリーで『玉川上水』と題された写真展が催されていた。撮影は宮前亘。副題に「江戸・武蔵野を潤した水辺の記憶」とある。書店を冷やかすのは後回しにしてエレベーターで5階へ向かう。

 世界に冠たる大都市だった江戸を支えた玉川上水。その流れを源流から下ってくる写真展だった。写真たちは、郊外というよりは田舎の風情を放っていた。こんなところからじゃ東京には通えないだろう、と思わされるほどに麗しい田舎の風情だった。水面は、夕日の黄金を映し、木々の緑を映し、雪空の白とグレーを映し、都心を目指して流れていた。

 写真に切り取られた玉川上水は、かつて太宰治とその愛人・山崎富栄がその命を絶った流れでもあるのだが、それでもやはり、玉川上水の水の流れは命に溢れている。こんな水流、こんな水辺、こんな緑、雑木林。こんなすごいものを持っているだなんて、東京もなかなかやるじゃないのさ。

*:言うまでもなく、玉川上水駅は余裕綽々の東京通勤圏だ。念のため。
by mono_mono_14 | 2007-05-02 16:28 | 文/cultura
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