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The New Mastersounds『102%』

 「銀河系最高のファンク・バンド」などという惹句には、ベッカムやロナウドも思わずげんなりと籍を移してしまう気がするが、こういうベタなフレーズについそそのかされてしまう輩も出てしまうわけで(僕のことだ)。予備知識ゼロで手にした The New Mastersoundsの『102%』。
 一聴してファンクがずいぶんとオトナな音楽だということを感じさせるつくりだ。・・・単にいかに自分のファンク観がお子ちゃまであるかを白状しているだけかも知れない。しまった。

 エディー・ロバーツなるギタリストが率いるファンク・バンドの最新アルバム(と言ってもリリースは昨年末の模様)。エディー名義のソロ・プロジェクト(よりジャズ寄り)の新譜が店頭に並べられていて、それを試聴して、悪くないしタイトルがイタリア語だったのでぐらっと来たものの(伊コヒイキ)、しかし、それは買わずにおいて、帯の惹句からリーダーを務めるバンドの存在を知り、そのバンドの作品の方を聴きもせずに買ってみた。なかなかに理解に苦しむ判断だ。そして、なかなか理解に苦しむ文章でもある。すまん。しかも、ソロ・プロジェクトの旧譜(ライブ盤)は買ってみたという。ますますもって理解に苦しむ判断だ。

 で、『102%』。ホーンはあまり使わず、ギターとオルガン、ベースとドラムというシンプルな編成で繰り出すファンクは、ヴァラエティに富んでいるが、いずれもシャイなヤンチャ心を秘めたオトナなフレイバー(どんなだ)。ギラギラとどす黒かったりコテコテに土っぽかったりするわけではないが、グルーヴ感を欠いているわけではまったくない。思うにベースがファンクのグルーヴ感を牽引するのだな。船酔いしそうにうねるベース。その上で繰り広げられる控えめに弾ける(シャイでヤンチャな)ギターとオルガン。シックなグルーヴ。聴き込んだとは言えない段階ながら好印象だ。「銀河系最高」という形容の大げささはふさわしくないような気はする。
by mono_mono_14 | 2007-02-15 23:06 | 音/musica
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