畠山重篤『牡蠣礼賛』

 少し前の新聞書評で目に留まった『牡蠣礼賛』を読み終える。牡蠣には目がない、というタイプの人も多いと思うが、実は、僕はさほどでもない。もちろん、美味しくいただくのはやぶさかではない。それにも関わらずこの本を読むに至ったのは、著者の畠山重篤が三陸で「森は海の恋人」という運動を実践している人だからで、その運動のことを僕は『スローフードな日本』を興味深く読んだ時に知ったのだった。湾内や沿岸の海の恵みは、山と川の健やかさとものすごく大きな関係がある。そのために漁業関係者が山の手入れをしている。この地道な運動は、紛れもなく、戦後日本が繁栄と引き替えに失ってしまった大切な何かを必死に取り戻そうとするストラグルのひとつであり、そういう小さなストラグルがいろんな場面でなされることがとても大切なはずだ、という僕の直感的な認識に、じぃんと響いてきた運動なのだった。そんなわけで手に取り、おもしろく読んだ。

soon
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by mono_mono_14 | 2006-12-23 23:59 | 本/libro | Comments(0)
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