哀愁のカルボナーラ

 僕は、ナメていた。きっと、慢心があったのだ。どうあっても受注調整の指示を下したことなど、世間に広まるはずがないと高をくくっていたのだ。・・・はっ。どこぞの知事の回想記のゴーストライティングが混線してるぞ。
 僕は、ナメていた。きっと、慢心があったのだ。どうあっても教科書に従うだけで美味しくできるに決まってる、カルボナーラだもん。・・・甘かった。何かがうまくいってなかった。微妙な味わいに仕上がってしまった。絶妙の予定だったのに。「微」と「絶」の違いは「B」と「Z」くらいの違いであって、つまり「ビートルズ」と「ずうとるび」くらいの違いなのだ。・・・そんなには違わないな、うん。言い過ぎた。すまん。

 幼少のみぎり、生卵を食べてじんましんを出したりしていた僕の場合、タマゴは1日に1個までとされていて、そういうふうに大きくなったため、やっぱりタマゴは1日1個までを原則としている。実際には、それなりに大きくなってからはじんましんは出なくなり、1日に2個食べるような日もあるわけだけれど、やはりたくさん食べるのは抵抗あるもの、というイメージは残り、せいぜい2個が限界量だろう、それも毎日はいかんぞ、という感じの認識に凝り固まっている。
 僕が全幅の信頼を置く落合リチェッタでは、2人分として全卵2個、卵黄2個とある。1人分なら全卵1個に卵黄1個だ。暗算の苦手な読者諸兄のために僕が電卓で計算しておいた。特に感謝にはあたらないのでお気遣いなく。
 だが、この1人分は、スパゲッティ80gを前提とされている。休日のブランチ用の一皿としては、端的に言えばややもの足りないわけである。よって、主として実態的な食欲と計算の簡便さを勘案して、50%アップを基本量に設定している。つまり120gの乾麺だ。暗算の苦手な(ry。
 ここでタマゴ問題に立ち帰れば、1人分の全卵1.5個、卵黄も1.5個ということになる。足し合わせれば何となくタマゴ3個の気分がするわけで、これには僕の全人生の経験がアラームを鳴らす。ぴぴぴぴ。いや、目覚めてどうする。こういう場合にはぜひアラートを鳴らしてくれ。ま、どっちでもいいや、何か鳴れば。
 そんなわけで、卵のみ据え置きで、他の材料は50%増しにして、調理を進めることとした。例によってパンチェッタの代わりに塩で下味をつけた豚バラ@平田牧場を使用する。

 作業はさほど難しいところはなく、無事に終わる。厳密に描写すれば多少バタバタしたところもなくはないのだが割愛する。
 よく考えれば、ちゃんとしたイタリア料理屋でカルボナーラを食べたことはなく、コンビニ弁当とかファミレスランチとか冷凍食品とかいった「なんちゃって版」によって僕のカルボナーラ観は出来上がっていたのだが、そのイメージとはずいぶん違う一品を皿に盛ることになった。
 食べてみる。即座に自皿自賛を繰り出す予定だったのだが、少し躊躇する。まあ、最終的には繰り出すわけだが(愚)、それでもひとくちめには少しひるんでしまったのだ。
 結論を言ってしまうと、味が弱かった。塩味が不足していた。しかしリチェッタには塩の出番はないので、パンチェッタが出すはずであったろう塩分と、パスタのゆで汁を加える際に足されるはずだった塩分が不足していたのだろう。加えて白ワインの酸味とエクストラバージンオイルの風味が強く出過ぎてしまった気がする。く、くやしい。必ずやリベンジを果たしたい。今度は、リチェッタ通りに1人前80gのスパゲッティでつくってみる。やはりタマゴ3個のデンジャラスな橋は渡れない。
 また、今回のこの敗戦(笑)に、アリオリ(ニンニクと唐辛子のオイル)やトマトソースの能力の高さを思い知らされることともなった。アリオリやトマトソースが美味しくできれば、具をちょっぴりしくじっても美味しくまとまるもんなあ。
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 相変わらず冴えない写真で申し訳ない。カルボナーラはこんな見た目で合っているのだろうか。そこからして不安だ。
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by mono_mono_14 | 2006-12-10 21:01 | 味/buono | Comments(5)
Commented by kchan0221 at 2006-12-11 06:19
こんにちは。
カルボナーラ、実は私も今まで一度も食べたことがありません!(笑)
なので、味についてはわかりませんが・・・実は作ることはできるという!
(もちろん作れるとはいっても、味見しないので美味しいかどうかは謎ですが!)
そのリチェッタを拝見したことがないのでなんともいえませんが~。
白ワインを入れるのですかっ!<Kchanリチェッタでは入れない
タマゴ液に生クリームちょっぴり入れて(リチェッタに入っていたらいいのですが)
チーズたっぷり目にしたら、タマゴ少な目&パスタ多目でもOKですよ~ん。

↓のエントリは、Kchan的にですが・・・。
他人の評価は確かに気になります。し、評価されると嬉しいし、酷評されるとかなりへこみます。
去年、自分を酷評されたときには、1週間くらい毎日ないてましたよ~!!(笑)
自己満足でHappyになれることももちろんありますけど、やっぱり気になるものは気になるので~す。
ちなみにやるだけやった。と思ってても、結果が伴わなかったらやっぱりKchanへこむのでした・・・。(笑)
Commented by mono_mono_14 at 2006-12-11 13:14
>>kchanさん
家に少なくとも3種のカルボナーラのリチェッタがあるのを発見したのですが、いずれも生クリームは使っていなくて、へええ、と思ったところでした。入るものだと思ってました。白ワインが入るのは、落合流だけでした。kchanさんの言われるとおり、チーズ多めのタマゴ少なめのレシピを発見したので、今度はこれにチャレンジしてみようかな、と思いつつ、クリーミーなのが食べたいんじゃないのか? と自問したりしております。
Commented by mono_mono_14 at 2006-12-11 13:15
>>kchanさん
初めて「コメントが長すぎる」と怒られた(笑)。というわけで続きというか第2部です。

へんてこなエントリ(↓)にコメントを寄せていただき、とても嬉しいです。どうもありがとう。
・・・ふと不安になってあわてて弁解しますが(汗)、kchanさんが他人のことは気にならないなんて思ったわけでは決してないんです(汗)。そんなふうに聞こえてたのだとしたら、ごめんなさい(凹)。
僕も評価されたら嬉しいし、酷評されたらへこみます。人格否定みたいに響いたりして、ずいぶんと引きずってしまったりもします。残念ながら、自分が納得いく結果を周りにも評価される、なんていうシアワセなシーンは非常に稀なので(笑)、たいていの場合、何かじくじくしたものを引きずりながら、睡眠時間をざっくりと削りつつ、じたばたしています。

でも、こんなへんてこなエントリ(↓)を書いてみて、kchanさんはじめいくつかコメントいただいて、みんな似たような現実に向き合ってるんだなあ、という、ある意味、当たり前のことを確認できて、なんだかそれはとっても嬉しいというか、一足早い思いがけないクリスマスプレゼントのようでした。どうもありがとう。
Commented by kchan0221 at 2006-12-12 04:05
monoさん、再びこんにちは~。
あ~っ!こちらこそ、決してそう思われた!なんて思ってませんから~。
私見を述べる際にKchan的には。と書いてみただけです。^^;
人格否定、実は去年の今頃されてかなりへこみました&引きずりましたが
反対にそういう風に言ってもらえたからこそ、改善するきっかけがもらえたし
ありがたい~と今では感謝するくらいまでになりました。(笑)
(ま、自分が成長したかしてないかは別にして。^^;)
なので、じたばたしながらも、へこみながらも、きっと何か得るものはあるのではないかな~と思う次第で~す。
同じように日々みんな悩みながら生活しているんだな~と言うことを知ることが出来て
こちらこそありがとうございます。

それと・・・。カルボナーラについて追記ですが、よくリチェッタには、パンチェッタをいためたフライパンに
茹でたパスタを入れて、そこにタマゴ液・・・と書いてあると思いますが
なめらかな絡み具合を目指す場合には、パンチェッタをフライパンでパスタに絡めた後
タマゴ液のボールでパスタを混ぜ混ぜするのがお勧めであります。^^
Commented by mono_mono_14 at 2006-12-12 12:52
>>kchanさん
ご丁寧にありがとうございます。ほっとしました(笑)。
1年前は大変だったんですね。でも、それをその後の糧として受け止められたみたいで、それってなかなかできないスゴワザのような気がします。恥ずかしながら僕の場合、記憶を薄めて誤魔化しているような気がすること、多いです(笑)。
カルボナーラ。kchanさんアドバイスは、最後の工程を熱々フライパンでなく、ボウルでやるのがミソってことですね? 確かに加熱が炒り卵を招くわけですもんね。なるほど。今度(時期未定(笑))、試してみますね。いろいろ教えてもらって嬉しいです。どうもありがとう。
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