人気ブログランキング | 話題のタグを見る

街かど三景

 この週末に撮った脈絡のない写真で脈絡なく書いてしまおうという安直なエントリ。許せ。いつもか。

街かど三景_b0018597_1925674.jpg壱。老舗のオーラ。
 銀座の中央通り(銀座通り)。高層ビルに挟まれる少しロッジ調(と言うかロマンチック街道風と言うか)のかわいらしい3階建てに気がついた。かわいらしくてもオーラがある。疎いので知らないが、子供服の店らしい。サエグサ。「SAYEGUSA」とあるからカナは「サヱグサ」かも知れない。「EST. 1869」とある。明治2年、140年近い歴史。すごい(少しググったところ筋金入りの老舗であることが容易に判明した)。東京近代化の生き証人のような店だ。銀座通りもずいぶんと様変わりしてるんだろう。はす向かいの(と言うには少し遠いが)松坂屋がヘンな建て替えを見送ってよかったね。

街かど三景_b0018597_1933586.jpg弐。都市の静脈。
 銀座の北側は首都高速が切り取っている。首都高ができたのは東京オリンピックの頃だから、高度経済成長期の遺産(ってまだバリバリの現役だけど)。JRと併走するその狭間には、見なかったことにしようか、と思わせるような「ウラ」の空間が抜けていた。首都高の下は飲食店が連なるコリドー街、JRのガード下も飲食店が肩を並べておいる。表は華やいでいる。その両方のウラが向き合ったスキマだ。エミール・ゾラが描くパリにもあったウラのような銀座のウラ。都市の静脈。通り抜けたら怒られちゃうかな。自分が通り抜けたいのか、よくわからないけれど。

街かど三景_b0018597_1942226.jpg参。粋なサイン。
 これは銀座ではない。飯田橋。「みゝづくや」というタバコ屋さん。もう営業してないかも知れない。タバコ屋なんて、成立しなくなってしまった。煙突のような櫓のような形の小さな塔が建っている。小さなを貼り込んで赤地に白く「タバコ」と書いてある。その上にみみずくを模したマーク(なかなかいい)が添えられており、屋根の端にもちょこんとみみずくをかたどった鬼瓦が通りを見下ろしている。今の世で、ただ闇雲にタバコ屋を残せとは言いにくいけれど、こういう気の利いた味わい深い看板やサインがなくなるのは残念。残れ!(って闇雲すぎ。)
by mono_mono_14 | 2006-07-23 19:04 | 街/citta
<< 島村奈津『スローフードな日本!』 『ダンス・オブ・ヴァンパイア』... >>