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I-TA-LIA! I-TA-LIA!! Germany2006 #15

Veni, vidi, vici! Una vittoria azzurra piu' brillante. Gli azzurri hanno giocato perfettamente ed hanno consegnato i biglietti disperati ai padroni della casa. L'Italia vola alla finale dei Mondiali, si', va a Berlino. Bravissimi! Del Piero ha ammortato un po' di debito con la maglia azzurra.

b0018597_17134183.jpg 観た? 観た?? 観た??? 観た! 観た!! 観た!!!
 今日ほどライブで観てよかったと思った試合も少ない。今大会では初めて。たぶんEURO2000の準決勝以来かも知れない。
 前の日、僕は、またもやほとんど寝ていなかった。自然の摂理として次の日は眠い。それにも関わらず翌朝の4時まで起きていた。のみならず試合が終わるまでテレビの前に釘付けだった。準決勝第1試合、イタリア対ドイツ。静かながら張り詰めたテンションが充満するピッチ。緊迫の攻防。眠くなりようがない。そして訪れた素晴らしい結末──。イタリア完勝。そう言い切ってよい。12年ぶりの決勝のピッチに立ち、24年ぶりの優勝を狙う。



 試合は、ゆっくりと探り合うようなペースで始まったが、テンションは静かに高い。熱狂が渦巻くような感じではなく、しかし張り詰めた空気に気圧される感じの、じりじりと緊迫したピッチだ。イタリアのボール回しはエレガンスな美しさには欠けるものの、その実、技術レベルは意外に(と言っては失礼だが)高い。パスのコース、強さが適切だし、プレッシャーを背負った中でもコントロールが安定している。無理にワンタッチで回そうともせずにワントラップするが、そのトラップの精度も高い。ピルロやトッティが上手いのは驚かないにしても、ガットゥーゾやペロッタ、カモラネージまでもが(と言っては失礼だが)淡々とハイレベルだ。全員が当たり前のようにボールを受け、止め、蹴る。ドイツよりも安定して上手い。見直してしまった。そして、ちょっと脱線するが、ショートパスをまったりとつなぎながら組み立てようとする姿は、思いがけず日本代表と重なるところが感じられた。カテナッチョを脱却したイタリアのサッカーは、もしかして日本の目指すスタイルのヒントなんじゃないか。ま、それはさておき、話を試合に戻そう。
 前半、審判の笛は心持ちイタリア寄りだった。それがドイツの気をやんわりと削いでいくことになったように思うのだが、ドイツは今ひとつリズムに乗り切れない。あるいは、イタリアに合わせてしまっている。こういう不本意な停滞状態から自らにハッパをかけてリズムを取り戻していく術に、本来、ドイツはとても長けているが、この試合はなかなかペースを掴めない。その理由は別にして現象として捉えれば、イタリアがほんの半歩だけ先んじており、従ってドイツはほんの半歩だけ後手に回っている。たまたまイタリアがゲームの制圧を志向していないから、じりじりと均衡した試合運びになったが、たぶん、ピッチ上でドイツは、やはりイタリアは手強いなと体感しながら戦っていたんじゃないか。そして、その付け入るスキをことごとく審判の判定でふさがれてしまっていた。イタリアのペースで前半が終わる。体感時間はものすごく短かった。

 後半。開始からドイツが勢いを増してくるんじゃないかと恐れていたのだが、それは思ったほどではなかった。しかし、審判の笛が、今度は少しずつイタリアに厳しくなっていった。前半がありがたい感じの笛だっただけに、そのギャップは、じきにイタリア選手をイラつかせることになるんじゃないかと懸念した(結果として杞憂に終わった)。全体的にドイツがペースを掴むが、イタリアは慌てない。中盤の運動量は少しずつ落ちていき、前線とのコンビネーションも少しずつ迫力と効力を失っていったが、中盤から後ろは揺るがない。カンナヴァーロが驚嘆のレベルのディフェンスで、ほとんどの穴を塞ぎ切ってしまうし、グロッソやザンブロッタ、マテラッツィも堅実で落ち着いた応対を披露する。集中力レベルは非常に高い。たとえ少し綻んだとしても、最後にブッフォンが縫い合わせてしまう。そのディフェンス陣の前方で、ピルロとガットゥーゾが思わず舌を巻く運動量でひたすらに危険箇所のチェックに回る。体に染み込んだ遺伝子レベルのディフェンスだ。僕からすると、彼らのディフェンスは芸術的なほどで見どころ満載なのだけれど、多くの人には退屈に見えるんだろうか。信じられないな。ものすごいレベルだよ? ま、いいや。
 ドイツは、シュバインシュタイガーとオドンコールを投入、1点もぎ取って試合を決めようという態勢だ。これまでの試合でオドンコールは、スピード豊かなアグレッシブなプレーで観衆の心を掴んでいたし、試合のリズムを好転させたりするなど、ある種のラッキーボーイぶりを発揮していたので、うっすらと不吉な予感もよぎったのだが、すまん、僕のアッズーリへの愛が足りなかった。まったく足りなかった。猛省だ。オドンコールには、ほとんど見せ場をつくらせない。1人が遅らせ、もう1枚が挟み込んでオドンコール持ち味の勢いを殺いでしまう。うっすらとした不安は去った。今日はオドンコールの日にはならない、そういう刻印が打たれていた。
 一方、今ひとつフィットしなかったトーニに代えてジラルディーノを投入したイタリアだが、体力の消耗とセーフティへの配慮から、中盤の押し上げが薄かったため、気持ちは入っているジラルディーノだが、決定機を演出するには到らない。試合は延長に入る。

 延長の頭から、イタリアは疲労困憊だったカモラネージに代えてイアクインタを投入。何となく微妙なチョイスだなーと思ったものの、このイアクインタがなかなかよかった。延長前半開始早々、イタリアは、ジラルディーノ、ザンブロッタと立て続けに決定的なシュートを放つものの、ポストとバーに阻まれる。往々にしてこういうのは劇的な敗戦の徴候だったりするのだが、そういうことは考えないようにする。頑張れ、イタリア! とコテコテの日本語を口走る。延長前半も終わりにさしかかる頃、タッチライン沿いでユニフォームをまとい、リッピから指示を受けているデル・ピエーロが映し出された。思わず動転する。とうとう決定的で英雄的な仕事をやってのける日なのか! と言い聞かせようとしても、EURO2000の決勝戦が思い出されたりして、歴史は繰り返し、生涯を通して色あせることのない「代表ではダメ野郎」のレッテルを貼られる日になってしまうんじゃ…。とりあえず、最初の数プレーを観てみよう、と言い聞かせながら落ち着こうと努める。デル・ピエーロは相変わらずひとり独特のテンポ(よくも悪くも)。相変わらずトラップ激ウマ。しかし、ここで奪われると厳しい、というところでさくっとボールを奪われたりする(やはり)。その時は、それなりのピンチに陥ったが、何とか後ろが凌いでくれた。後半、デル・ピエーロに決定機が訪れる。キーパーと1対1になったものの、シュートを撃てない。あ、やばい気配...。ジラルディーノの優しい落としをフリーでシュートするも大きく左に外す。あ、やばい気配...。負けたら、また独りでぼこぼこにされちゃうな、などと思い軽い腹痛を覚えたりする。・・・すまん、僕のアレへの愛が足りなかった。まったく足りなかった。猛省だ。僕の頬を殴ってくれとメロスに願い出たセリヌンティウスのキブンだ。
 終盤、攻めへの勢いが出て来ないので、イタリアはPK戦に持ち込もうとしているのかと思った。トッティ、ピルロ、デル・ピエーロと、各クラブのPKキッカーを揃え、至近距離の反応レベル世界ナンバー1のブッフォンがゴールマウスに入るのだから、そういう手も考えられるだろう。しかし、ドイツ相手のPK戦で必ずしも分があるとも思えなかった。たぶんイタリアもPK戦を避けたいと思っていたんじゃないか。じりじりとしたキブンでテレビに念を送る。そして、最後の瞬間に歓喜の時が訪れた。コーナーキックのセカンドボール、ピルロからのタイミングを見計らった絶妙のラストパス(ノールック!)、グロッソがノートラップで左足を振り抜く。グロッソの左足から放たれたボールは、緩い円弧を描きながらここ以外あり得ないという場所へと吸い込まれる。明け方の東京でも構わずに絶叫だ。グロッソが忘我の境地で歓喜の疾走。駆け寄るチームメイト。グロッソに飛びついた2人目はブッフォンだ。どんなスピードで駆けてきたのだ、お前は。
 残り時間はほんの1、2分だが、だからと言ってドイツが追いつけない理由にはならない。と言うかそうやって最後の瞬間にEURO2000のタイトルを逃したのだ、イタリアは。勝利はくっきりと見えてきたが、ちっとも安心できない。ひりひりするような気持ちで見つめる中、カウンターからジラルディーノが疾走する。テレビ画面には、そこにくっきりと映っていていいはずのデル・ピエーロの姿はない。アレ! このチャンスに登場しないなんて、ピッチにいる意味ないぞ! 祈りだか叱責だかわからない思いをぶちまけていると、後方からデル・ピエーロが飛び出してきた。ジラルディーノの左側を抜けようとひた走る。ジラルディーノから完璧なラストパスが出て、デル・ピエーロはレーマンと1対1で対峙する。この期に及んでもまだ不安がよぎる。すまん、後でまた頬を殴ってくれ。ノートラップで右足インサイドで合わせるデル・ピエーロ。決して見かけほど簡単なシュートではないが、全身全霊を込めた完璧なタッチ。ボールは、レーマンの肩口を抜け、ネットに柔らかく受け止められていく。・・・#$%&+@*!!!!!! 言葉にならん。何か大きな音が出ましたよ、僕の口から。デル・ピエーロがとうとうこういうゴールを決めたのだ。この1点ではまだ代表に対する負債額の方が大きいと思うが、とにかく決めやがったんだよ、こういうゴールを! 絶望に打ちのめされるレーマンの裏側をデル・ピエーロが疾走する。僕も疾走したい。何なら失踪でもいい! イタリア、決勝進出。

 今日のピルロにどういう形容詞を与えればいいだろう。小さなミスがなかったわけではないが、それでも完璧と言ってあげていいと思うのだが、しかし、完璧なんていう言葉では、今日のピルロのすさまじさはちっとも表せない。豊富な運動量、完璧な球離れのタイミング、視野の広さ、攻守にわたる技術の高さ、クオリティ。常に自分のプレーを貫徹する意志の強さ、冷静さ。途切れぬ集中力。120分をひた走った末に、繰り出されたあの落ち着いたノールックの優しいラストパス。パジェッラで8.5はつけていい。9でもいい。カンナヴァーロとブッフォン、ガットゥーゾにもスタンディングオベーションを贈りたい。イタリアのサッカーのどこがつまらないのだろう、さっぱりわからない。ああ、この日のイタリアと、本調子のブラジルが決勝で当たれば、どんなに素晴らしかっただろう。それが叶わぬ夢と消えた今となっては、フランスに1998年と2000年の借りを返すのが美しい展開かしら。

 試合終了後、満を持して寝てしまって当然の大寝坊、午後の会議の準備が舌足らずになってしまった。やっぱりあそこで失踪すればよかった。ま、不問ってことで。こんな試合だもん、しょうがないよね。これをライブで観たことを誇りに思おう。

 追記。ラ・レプッブリカの採点、見つけた。総じて大盤振る舞い。
by mono_mono_14 | 2006-07-05 21:09 | 蹴/calcio | Comments(10)
Commented by kaioko at 2006-07-05 22:06
おぉ~、力のはいった長大なエントリですね~。
読み応えがありました!
間違って失踪しないで下さいね。決勝までは。
Commented by ciachi at 2006-07-05 22:58 x
ウレシイ! ウレシイ!! ウレシイ!!! っていう空気が街中に充満してました。
窓から外を見ると、バンビーニ5人組は自分の体より大きい国旗を振り回し、タクシスタまでもがクラクションをかき鳴らしていました。イタリアへの失踪、喜んでお手伝いしますよ(笑)。
Commented by mono_mono_14 at 2006-07-06 00:53
>>kaiokoさん
気がついたら長くなってびっくりしました。ほんとにいい試合で、嬉しい展開だったので、つい。でもですね、大したことは書いてないんですよね(爆)。
えっと、決勝後なら失踪してもいいんですか(笑)?
Commented by mono_mono_14 at 2006-07-06 01:02
>>ciachiさん
イタリアはさぞかしすごいことになってるでしょうねぇ。いいなぁ、そんな空気を体感できて。うるさくてヤかも知れませんが(笑)、たまにしかない貴重な機会なので(失言か?)、めいっぱい満喫してくださいね。

あ、ハズレのないイタリア旅行の保証がついてきた(笑)。嬉しい(笑)。
Commented by mariko at 2006-07-06 09:41 x
試合は、延長戦点入れたとこだけたまたまみたという調子のいい、私ですが。。
なによりmonoさんの興奮度がすごい伝わってきてちょっと笑いました。
いい試合でよかったですね!
Commented by mono_mono_14 at 2006-07-06 11:41
>>marikoさん
あ、笑いましたね(笑)。いいんだ、笑われても。いや、ほんと、いい試合で嬉しかったです。決勝戦の後にもまた笑われるエントリが書けるといいんですが。
たまたまにしても、あの2点が入ったところをmarikoさんにもライブで観てもらえてよかった。夜更かしついでに決勝なんていかがですか?
Commented by dicotomia at 2006-07-08 12:22
いやー、私もしっかりライブで観てましたが・・・ このエントリのパワーはすごいですね! コチラを読むとあの試合の感動が何度でも甦ってきますわ~。 も~、私も失踪にお供いたします!!(笑)
ピックアップしてコメントつけたいドコロが満載なのですが、一番ツボに入ったのは
> どんなスピードで駆けてきたのだ、お前は。
私もあの興奮と歓喜の最中、「ブッフォン、速すぎ!」とツッコミを入れずにはいられませんでした(^^;;
ところで、いったい monoさんはどのくらいの時間でこのエントリを書き上げたのでしょうか? 興奮という追い風があったとはいえ、これほどの質と量の文章を創り出すお力に改めて感動してしまいまして・・・ 愚問とは思いつつ、ちょっと気になったのでご質問させていただきました。
Commented by mono_mono_14 at 2006-07-08 13:16
>>dicoさん
あ、失踪代理店に続き、失踪メイトが! 俄然、失踪したくなってきました(笑)。
1点目のシーンを上空から観てみたいです。左半分で起こった歓喜の輪を目がけて、右の端からものすごい勢いですっ飛んでくる未確認移動ブッフォンが視界に入るはず。きっとすごく速いぞー(笑)。あれは、キーパーが、いかに前(攻撃陣)を信じながら必死に耐え続けるポジションなのか、ということが如実に表れた、隠れた感動シーンでした。

これを書くのには、それなりの時間がかかってます。覚えてませんが、たぶん2時間くらい? 3時間かも? という感じです。メロスを待ってた人の名前をググるなど、細かいシゴトもありまして(笑)。「感動」は過分なお言葉ですが、でも嬉しいです(笑)。ありがとう。
Commented by dicotomia at 2006-07-08 20:15
そうですよね。負けを回避することはできても 自らの力で勝利をもぎ取ることができないポジション。しかも攻撃中はチームメイト達の後姿を一人遠くから見守るだけ。特にこの時の、119分間ブンの彼の想いを慮ると あの歓喜の爆発にはガツーンときます。ホント、名シーンですね!

ああ、私の per curiosità にお答えくださいましてありがとうございます! なるほど~、細かいシゴト(笑)を合わせても2、3時間で完成ですか! やっぱりスゴイなぁ~。 私だったら丸一日・・・ どころか、恐らく途中で力尽きて翌日繰り越しに違いありません(・・・って、これほどの文章は私にはとても書けませんが)
(あ、このコメントにお返事は不要ですよーん^^)
Commented by mono_mono_14 at 2006-07-09 16:24
もっとも、本人が2〜3時間? と思ってるだけで、ほんとはもっとかかってるかも知れませんが(笑)、5時間以内だとは思います(って倍も違うぢゃないか...)。ただ、僕の場合、アップした後にも構わず手直し入れちゃういんちき方式なので、そのうち延べ丸一日になったりするかも知れません(笑)。
(あ、このコメントはお返事ではないですよーん、ってお返事ですね^^;)
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