Lovely lovely

b0018597_221385.jpg 湘南ボーイ(詐称)にとって、中央線はあまり馴染みのない路線で、四ッ谷で働くようになってからも新宿より先の中央線各駅にはさほど縁がない(もちろん同僚には住民もたくさんいるのだけれど)。中野にもあまり足を運ぶことはなかった。目的的に中野に来たのは、今日が初めてと言ってもいいのではないか(誇張)。

 ポール・ウェラー日本公演初日。中野サンプラザ。完売。

 「チケットください」。たどたどしい日本語を書きつけたボール紙を手に佇むイギリス人(推定)の脇を寝不足の軽やかなステップで通り過ぎる。大きな吹き抜けの階段ホールを上がり、あまりにも狭いホワイエでサンドウィッチをつまみ、前寄り3分の1くらいの左側の席で開演を待つ。定刻を10分ほど過ぎて客電が落ちた。今日は椅子があるからよかったなと思う間もなく、ウェラー御大ご一行さまがご登壇の瞬間からやはりスタンディング。椅子、意味なし。

〜忘我の2時間強〜

 2度目のアンコールをせがむ拍手を優しくいさめるかのように客電が点いた。
 4人編成の小さなバンドで、ステージの端の方が余ってしまうほどの飾り気のないセッティング。しかし、解き放たれるグルーヴ感はすごかった。アルバムもいいけれど、ポール・ウェラーは根っからのライブの人だと思う。2台のギターとベース、ドラムス。時折ウェラーがギターをキーボードに換える。こんなシンプルな構成で、ものすごいグルーヴ感を引っ張り出してくる。ホーンセクションがなくても艶やかで、ストリングスがなくても荘厳だった。そして、芯のところは揺るぎのないロックだ。衰えること知らずの入魂のロック。
 ウェラーは終始リラックスして楽しそうだった。よかった。日本の客はおとなしすぎるのが気に入らないという逸話は、ファンには広く知られており、誰もがさながら強迫観念のように自分なりの精一杯の盛り上がり感を披露しようと努めている。のだと思う。少なくとも僕はそうだ。でも、僕にできることは、あんまりない。シング・アロングやシャウト・アウトは無理なので、せいぜいノリながら、それもかなり控えめにノリながら聴き入り、曲のたびに猛烈な拍手を送るくらいのことなのだ。しかも、あろうことか前倒しの四十肩野郎には腕を高く掲げたクラッピングすら難儀になっていたのであった。猛省。
 半分も聴き取れていないMCによれば、26年前、初めて日本に来た時の会場が中野サンプラザだったそう。そんなセンチメントもあってか、フレンドリーなリラックス感に満ちたライブになったんじゃないか。客席の僕らを「Lovely lovely audience」と呼んで感謝の意を表した。31日は泣く泣く見送り。東京最終日には少なくとも「Malice」の歌詞をおさらいして臨みたい。

※セットリストはブログ等で各自お求めください。
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by mono_mono_14 | 2006-03-29 23:59 | 音/musica | Comments(0)
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