cotone banane cacao e cafe'

 「Un'altra via d'uscita」、「30 modi per salvare il mondo」。「もうひとつの突破口」、「世界を救う30の方法」。こんなに真っ正面からというか真っ正直にというか曲をつくってアルバムの最後に収めたりするイタリア人アーティストたちは、日本の音楽マーケットにおいてはどこか異端というかどこに居たん? というか(寒)、そんなポジションをマイペースでたゆたっている。上の2タイトルの後者を書いたのはジョヴァノッティで、彼はイタリア的にはメジャーな存在だと思うけれど、前者を書いたダニエレ・セーペはどうなんだろう。

 ドメニカなのにどうにかならんか(寒)の休日出社&ナポレオン睡眠であわあわと資料を準備して3時間にわたる会議をしのぎ、へろへろと会社に戻り次なる締切に向かう僕が作業の友に取りだしたCDは、なぜだかダニエレ・セーペの『日雇い人夫』(Jurnateri)。我が身のコンディションに照らせば同じセーペの『限界労働』(Lavorare Stanca)でもよかったか。何となく冒頭に記した曲を聴きたくなったから。これを聴くのは超々久しぶり。もしかすると数年ぶりかも。
 岡本太郎(ゲージュツがバクハツした人ではない)の名が記されたライナーによれば、ダニエレ・セーペは1960年生まれのナポレターノ。演っている音楽は、イタリア民謡+スペイン民謡+アフリカ民謡+ジャズ+ポップ+ブラスバンド+オリーブオイル+ポモドーロ、そんな感じ。物憂げだったりハチャメチャだったり、まあ好き放題なんだけど、たまたま『限界労働』を買って初めて聴いて以来、僕はどこか気に入ったのだった。
 久しぶりに聴いたダニエレ・セーペは、痛快な疾走感と沈鬱な悲愴感が交互に訪れるような、ある意味、ナチュラル・ハイな聴き手とは非常に馴染みのよいスキゾ(死語)なアルバムだった。

 お目当ての「Un'altra via d'uscita」は、髪とともに薄れゆく僕の記憶にあった色合いよりも、ずいぶんと音のツブが立った佳曲だった。
 この歌は、例えば星をたくさーん飾った国旗に代表される一握りの国々とその手先企業たちが、プランテーション農園で汗水垂らして必死で働く人たちを蹂躙しているさま、コットン、バナナ、カカオ、カフェといった作物を巡るアンフェア極まりないトレードに対する異議申し立てだ。アンフェアなのは誰か(違)。こんな主張をとてもかわいいメロディとアレンジ(搾取される地に捧げてると思う、アフリカやカリブが混ざった抜けるような明るいアレンジだ)に乗せて歌う。
b0018597_2201610.jpg だけでなく、フェア・トレードを訴える学校向けのアニメーションがセットになっている。このアニメーションがかなりかわいい。手がけたのはこちらの模様。キャプチャをお裾分け。QTプレーヤのフレームも入れとくから、偶然スナップに映像が写り込んじゃった、くらいで著作権さんも目をつぶってくれないか。つか不問なくらいの不鮮明さではありますが。
 ライナーで岡本太郎が、「こうしたセーペの姿勢はイタリアの心あるアーティストに共通するもの」と書いているが、こんなテーマを真顔で曲にしてしまう、よく言えばウブで悪く言えばベタなカンジが、どこかしらイタリアっぽいなぁと思う。いえ、根拠はあんまりないんですが。
 で、この曲、教育用ということもあってか、たぶん、とてもシンプルなイタリア語で書かれたリリック。歌詞カード、クリアな発声の録音がありながら、「たぶん」と書かざるを得ない僕の心中察しつつウィンドウのクローズボタン(かブラウザの戻るボタン)を軽くクリック。ご静読ありがとうございました。
 しまった。シゴトの友に聴いてたはずなのに、こんなの書いてた。
[PR]
by mono_mono_14 | 2006-03-20 22:05 | 伊/italia | Comments(0)
<< 桜 Fania『Naturel』 >>