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He visto Ronaldinho!

 現地時間の土曜日の晩(日本時間で日曜日の早朝)、マドリードでレアル・マドリーとバルセロナの伝統の一戦“クラシコ”があった。日本での放送はWOWOW。我が家でも観られる数少ない大一番だ。しかし生放送のあった土曜の晩は痛飲して録画もすこんと忘れて爆睡。かろうじて再放送を録画して、遅まきながらようやく観戦することができた。

 スタジアムの雰囲気はもちろんすごいが、やはりピッチ上の技術水準がものすごい。何しろボールのスピードが速く、必然的に選手の動きも速い。そして大きい。それでいてトラップはバッチリだし(ロナウジーニョがトンネルしたりもしてたけど)、その前にパスの精度がとても高い。親善試合をやればJリーグのチームがマドリーやバルサに勝ったりすることもあるけれど、こういう試合を観ると、日本と世界トップとの懸隔はとてつもなく大きい(追いかけ甲斐のある道のりではあるかも知れないけどね)。
 バルセロナのパス回しは、速く、美しく、滑らかで、リズムがあり、無駄が少ない。ここぞというところで前に突っかけるドリブルのスピードと迫力もすごい。それと比較すると、マドリーは、運動量も少なく、意思の疎通レベルが低いように見える。コンディション不良のようだけれど、ジダンがあまりに凡庸でびっくりした。バルサはプジョルの気合いの入り方と集中力、プレーの実効性の高さがハンパなかった。いいディフェンダーだなあ。そして、そもそも一番のスターであるロナウジーニョの入れ込み方がこれまたハンパなく、気合いが表に出まくりだ。エトーも同様。チームとして、全体のバランスがうまく取れていて、よくモティベートされていた。ライカールトの手腕もあるかも知れない。

 ロナウジーニョ。異常値。2得点を導いたドリブルは、スピードとタイミング、ボディバランスだけで相手に何もさせなかった。ナイキのCFなどで見せる鮮やかなフェイントの類は何も出てこない。ワンタッチで前を向き、たぎるような疾走。ものすごいスピード。それでいてボールは足下を離れず、常に完璧に支配下に置かれてコントロールされている。マラドーナのようだ。メキシコでの伝説の5人抜きも、ディフェンダーからするとなぜだか抜かれてしまったという感じだったが、このクラシコでのロナウジーニョのドリブルもまさにそんな感じ。エルゲラの絶望はさぞかし深いだろう。ポスト脇で放心気味に何かをつぶやいていた姿が映し出されていた。

 「O mamma mamma mamma」という、ナポリでは広く知られているであろう歌がある。もしかするとナポリだけでなく世界中で知られているかも知れない。ママ、なんでこんなにドキドキしてるかわかる? Ho visto Maradona、だってマラドーナを見ちゃったんだよ! みたいな歌詞の、マラドーナを讃える応援歌だ。今、これをスペイン語訳してマラドーナをロナウジーニョに置き換えても、まあ許されるんじゃないだろうか。カタルーニャ語訳ならなおよいかも知れない。He visto Ronaldinho! もう少しマジメに(?)バルサの試合をフォローして観るようにしよう。間違いなく、今、一生懸命観るに値する選手の筆頭だ。
by mono_mono_14 | 2005-11-23 15:44 | 蹴/calcio
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