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サッカーにまつわる3冊

Ho comprato i tre libri sulla scena del calcio europeo. Uno e' sui cinque giocatori giapponesi che giocavano in Italia, poi su una giapponese che fa l'allenatore in Spagna e l'ultimo e' un documentario dei tifosi della Verona FC. Questi mi darebbero delle viste nuove di vedere il calcio e l'Europa, magari.

 カズこと三浦知良がイタリアに渡ったのが1994年。それから10年が経つ間に、中田英寿、名波浩、中村俊輔、柳沢敦がイタリアに挑戦している。その5人について、イタリア人ジャーナリストが率直に綴った本の翻訳書が出た。『セリエAに挑んだ男たち』。まだぱらぱらとしか読んでいないけれど、彼らが直面した困難がややドライに(つまりある種の当然の帰結であるかのように)記されている。それが正当かどうかという問題ではなく、それが現実、少なくともイタリア的現実で、雑誌やウェブなどで本人寄りの記述、情報に接することが多い状況にあっては、貴重なバランサーとなりそう。偏りのないものの見方を可能にしてくれそうな気がする。
 イタリアで原書がどれくらい売れるのかわからないけれど、でも少なくとも、イタリアで、イタリア人ジャーナリストの手により、イタリア人の読者に向けて、日本人ジョカトーレのイタリアでの10年間を振り返る本が著される、そんな状況にあることは事実なわけで、そのことだけでも何だかすごいことのように思える。
 この本が出たのを知ったのは、訳者である片野道郎さんが長らくやっているウェブサイト「Tifosissimo!!!」(の出張所的ブログ)。最近は超多忙のようで更新頻度が下がってしまったのが残念なのだけれど、色あせないバックナンバーも多数あるので、イタリアサッカーをディープに覗いてみたい人にはオススメ。

 もう1冊。『情熱とサッカーボールを抱きしめて』。・・・このタイトル、女性のことを女性が書いた本だとは言え、ちょっと恥ずかしい...。スペインでサッカーコーチのナショナルライセンスを取得して、同国初の全国リーグ女性監督を務めた佐伯夕利子さんの奮闘ぶりのドキュメンタリー。数ヶ月前に出た本で、その頃は「ほぼ日」でもプッシュされていた。
 率直な読後感としては、もう少し冷静かつ深いシゴトができたはずだと感じるけれど、本と言うよりはテレビっぽいつくりだとも感じるけれど、辿っている道はやっぱりすげえなあと思う(対象がサッカーだからというのもあるかも知れない)。ちょっと羽中田昌の本みたいな感じ。高校サッカーのスーパースターだった羽中田は事故で車いす生活を余儀なくされながら、スペインでコーチ修行に挑んだ。その日々を綴った本と似た雰囲気がある。
 本を手に取る前にこちらを覗かれるのもよろしいかと。それで気になれば実際に本を手に取ってみて、ぱらぱらめくってよさげなら読んでみる。そんな感じでいかがでしょう? 僕的にはこれくらいのオススメ感です。
 日本を飛び出て海外で独り頑張る姿(そしてその成功)の物語は、ただ馬齢を重ねているように思える(と言うかその通りの)自分のことを思わされ、すげえなあと思いつつ、心のどこかがヒネくれる感じがしたりする。ま、自分のやる気と意気地と責任感が欠如しているだけのことなんですが。お恥ずかしい...。

 ついでにもう1冊。少し前の本。これはぱらぱらとも読んでいないのだけど、どこかで好意的な書評を目にした記憶がある(「サッカー批評」だったかな?)。『狂熱のシーズン』。ヴェローナという北イタリアの街のサッカーチームのティフォージたちの1シーズンをティム・パークスという小説家が追いかけた本。ニック・ホーンビィの『ぼくのプレミア・ライフ』みたいな本かなと想像してる。チームをサポートすること、昇格や降格、それらがどういうことなのかを少しでも覗けたらいいなと思っている。訳者は北代美和子さん。『フーリガン戦記』という、以前に面白く読んだ本の翻訳を手がけた人で、この人の名前があったのもこの本の事前印象をよくしている。ずいぶん前から読もうと思っていながら、手にするのがこんなに遅くなってしまった。

 以上、今日、買い求めたヨーロッパのサッカーにまつわる3つの風景。
by mono_mono_14 | 2005-09-21 21:41 | 本/libro
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