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セウ・ジョルジ@渋谷クラブクアトロ

Mi hanno colpito. Un carnevale di funky samba coolissimo. Seu Jorge ed i suoi compagni hanno corso per due ore e mezza e gli ascoltatori sono stati coinvolti nel tornadone della musica funk brasiliana. Seu Jorge non ci ha dato solo la bella musica ma ancora il messagio serio.

セウ・ジョルジ@渋谷クラブクアトロ_b0018597_0552153.jpg 金曜日の夜6時半の渋谷ハチ公前交差点は、いやになるような人の群れ。げんなりしながらクラブクアトロへ向かう。僕にとってはテテ以来の2度目のクアトロ。定刻の10分前にフロアに入り、ビールをもらってまったりと待つ。同じく単身乗りこんできたと思しき同年代の男性の間に居場所を確保。ミキサーブースの囲いにもたれられるヲジサン向きの場所だ。フロアが禁煙になっていてビバ! どう考えても今日の予想客層でタバコ吸い放題だったら、副流煙が相当シンドいだろうなあと諦め半分で覚悟していたから、すごくツイてるキブン。



 客電が落ちて、メンバーがステージに登場。セウ・ジョルジはダークスーツ姿だ。クールビズな日本なのにも関わらずネクタイもびしっと締めている。後の4人はゆるーい格好。セウ・ジョルジ、ブッチギリでカッコイイ。雰囲気ありすぎ。
 5人編成のバンドは、ステージ上に横一線に並ぶ。フラット5だ。ちょっと珍しいフォーメーション。しかも、全員着席。ステージに向かって左からパーカッション、パーカッション、ドラムス風味パーカッション、セウ・ジョルジ、ベース。僕の立ち位置からは左端のパーカッションは柱の影で全く見えない。

 1曲目から度肝を抜かれるほど全開で真っ黒にファンキー。CD2枚を聴いて予習に余念はなかったので(過言)、想定の範囲内の曲だったのだけれど、何しろ曲名を覚えるところまでは予習に含まれていない(片手落ち)。従って、この感想文ではほとんど曲名が出て来ないと思ってください。フロアの隅っこの方で中原仁さんがメモ取りながら聴いていたのを目撃したので、セットリストや正統派解説などはこちらで明らかになると読んでます。と言うか僕自身が力一杯アテにしてます。

 ステージに話を戻す。セウ・ジョルジはカバキーニョをかき鳴らしながら飛ばし気味に歌う。カバキーニョってシブい音で鳴る楽器だよなあ。しかしポイントはそこではない。ノリだ。グルーヴだ。5人が横1列に並んで椅子にちょこんと座って渾身のファンキーなタテノリサンバだ。ヤられた。ここから4曲目くらいまですごい疾走感で一気に走る。いやーこのまま死んでもいいってそれでは愛ルケである。死んでる場合ではない。しっかり見届けねば。
 パーカッションがこってりとサンバ風味をもたらしつつ、ファンク色の強いベースがうねって、えも言われぬ味つけのトンガッた一品に仕上がっている。そして、欠くことのできない調味料は、もちろんセウ・ジョルジの声。CDで聴いているよりも、もっと声量があるというか、声帯のしっかりしてそうな骨太な声で、エフェクター要らずの多彩な声が出せる人だった(それともエフェクターだったのかな?)。ラップもすごくキマッていた。

 続いて、セウ・ジョルジの弾き語りなどのまったりしたセクション。ギター1本での弾き語りは僕はテテに軍配を上げたいが、ステージ全体を見ればセウ・ジョルジのポテンシャルはとてつもなく高かった。
 バンドが戻り、何曲か演奏。すごくキブンよくノれる演奏が続くが、何しろオープニングの衝撃はとてつもなく、それと比較すると緩く感じられてしまう。この辺りの演奏曲目はほとんど明記できない。彼名義の2枚のCDに収められている曲がほとんどだった気はする。
 おもむろにパーカッショニスト3人によるパンデイロ競演タイムが始まった。セウ・ジョルジとベーシストは休憩だ。いや、ベーシストにはこのパンデイロ競演タイムをデジカムに収めるという大役が待っていたようで、明子姉ちゃん(@巨人の星)のような立ち位置から笑顔で撮影している姿が見えた。要はタンバリンなんだろうに、どうしてあんなに多彩な音が鳴るのか、あの速さで連打できるのか。まったくわからん。たぶん、自分で叩いてみたりしたら、あまりにも大した音が鳴らなくてがっかりするんだろうなあ。ちなみに、3人のパーカッショニストは、喩えて言えば、ロナウドの従兄とカランブーの従兄とゼ・マリアの長兄みたいな3人組だった。さっぱりわかりませんね、すみません。
 
 「Chatterton」は立体的で構築的な音づくりで、少しカエターノっぽい印象があった。曲が終わる時に、セウ・ジョルジだけが椅子に後ろ向きに座るという演劇的な演出もあり、それもカエターノっぽい感じだった。ってカエターノを観たのは一度きりですが。
 他にもいろんな曲を演ったんですよ。でも、書けるようには覚えていないのです。なにしろ今日のステージは開演7時15分で終演9時40分。ほぼ2時間半。アンコールをせがみまくった客も問題だったかも知れないけれど、かっ飛ばし続けるキミらも問題だったのではないか。どこまでが本編で、どこからがアンコールなのか、もうよくわからなくなっていたのだけれど。途中のアンコール(ってなんだそれ)、「Eu Sou Favela」を演った。この曲だけを起立して歌ったセウ・ジョルジは、会場に向けて強烈なメッセージを残した。このことは稿を改めて。

 最後のアンコールでは「Carolina」を演る。これを心待ちにしていた客がすごく多いようで大歓声。サビのコーラスを歌わされるが、歌えてしまう。この曲で終わりかと思ったら、最後にサンバ・カーニバルが待っていた。なぜマンゲイラがどうたらこうたらなんていう曲をそらで歌える日本人がこんなにいるのかわからんよ。演奏が終わり、セウ・ジョルジはステージを去ったが、なんと残りのメンバーはパンデイロやらタンボリンを手にフロアに降りてきて、文字通りのカーニバル。楽日ならではのハプニングだろうか。フロアを練り歩く4人の後ろにジェンカのように前の人の肩に手を置いたオーディエンスの列が続いている。江川達也のアバターも装着していないのにジェンカの列はどんどん延びる。なぜ即席サンバ・カーニバルへの参加作法を心得ている日本人がこんなにいるのかわからんよ。

 時間が長かった分、多少の中だるみ感もあったのだけれど、土着サンバにファンクやヒップホップが鋳込まれたセウ・ジョルジ、「サンバの現在進行形」の看板に偽りなし。
 しかし、こういうライブと較べると、ブルーノートは演奏短すぎ&料金高すぎだなあ。
by mono_mono_14 | 2005-09-02 23:59 | 音/musica
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