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『谷口吉生のミュージアム』展

Mi sono visto una mostra dei musei da Yoshio Taniguchi, un architetto che recentamente ha fatto la ristrutturazione estensiva del MoMA a New York. Ci sono stati mostrati i suoi 12 progetti di museo. I suoi musei mi sono sembrato molto eleganti (ma a volte troppo), e soprattuto fanno bei paesaggi con il cielo e la superficie dell'acqua. Il museo commemorativo di Ken Domon a Sakata mi e' piaciuto molto.


『谷口吉生のミュージアム』展_b0018597_1816363.jpg『谷口吉生のミュージアム』展_b0018597_18162159.jpg 東京オペラシティアートギャラリーの『谷口吉生のミュージアム』。ずいぶん早くに招待券をもらっていながら、会期間際になって何とか覗くことができた。ニューヨークのMoMAの改修・拡張プロジェクトをメインに、国内の11の美術館・博物館・展示空間のプロジェクトを加えた谷口吉生が手がけた12のミュージアムについて、模型、写真、図面、映像で紹介している。
 ニューヨークには行ったことがないのだけれど、マンハッタンの街並みのなかに、うっかりすると見落としそうなほどのさりげないたたずまいでMoMAはあるようだ。谷口は収蔵されているアート作品に敬意を表して建物が出しゃばらないようにすることと、MoMAがマンハッタンの歴史のなかに息づいていることも大事にして、MoMA内部からマンハッタンのいろんな風景が目に入ってくることに留意したという。端正ながらも吹き抜けを介したダイナミックな空間構成で、気持ちよさそうだ。マティスの「ダンス(1)」は階段の踊り場のようなところに展示されていたようだった。彫刻庭園(これは谷口の仕事ではないけれど)も気持ちよさそう。やっぱり行ってみないと実際の評価はできないので行ってみたいよなーというオチがつく。
 MoMAのプロジェクトを伝える世界各国の報道記事をコラージュした展示があったので、イタリア語がないか探してみた。フランス語やスペイン語はちょくちょく見つかるのに、イタリア語はなかなか見あたらない。ようやく1つだけ見つけた。「LA STAMPA」紙の2004年6月12日の記事。見出しだけメモしてきた。『Rinasce il MoMA: con un'anima nuova, anzi "zen"』。新生MoMA:吹き込まれた新しい魂、それはどこかしら古い歴史のある禅を感じさせる──ニュアンスを正しく掴めているかは自信がない...。

 他の国内プロジェクトの中では、写真家の土門拳が故郷に寄贈した作品を収蔵する「土門拳記念館」(山形県酒田市)が素晴らしかった。池を前面に配し、低く端正なプロポーションを見せるファサード、階段状に緩やかに下降しながら池につながる中庭。建物と中庭と池との親密さと緊張感がとてもいい。中庭を手がけたのはイサム・ノグチで、彼の「土門さん」という彫刻がちょこんと置かれている。この彫刻もすごくいい。酒田は僕の父の郷里でもある。行ける機会を(気長に)探したい。
 総じて、僕の場合、水面と中庭と空の間に親和と緊張の関係をうまくつくれていると感じられるミュージアムに強く惹かれた。そして窓がその関係をうまく切り取って提示している。そういう意味では、「長野県信濃美術館東山魁夷館」もよさそうだった。広く切り取られた窓から見えるクールな中庭と柔らかな山並みがきれいだった。
 しかし、東京の作品(東京都葛西臨海水族園、東京国立博物館法隆寺宝物館)もあったにもかかわらず、展示されていた12のミュージアムのどれひとつとして訪れたことがないというのは、いかがなものでしょう。上野くらい行こう...。
by mono_mono_14 | 2005-06-25 18:17 | 芸/arte
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