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倉方俊輔『吉祥寺ハモニカ横丁のつくり方』

 倉方俊輔『吉祥寺ハモニカ横丁のつくり方』読了。おもしろかった。
 本書がその「つくり方」を解明したかと言えば、まだ道のりは長いと思うが、記録すべき時に記録しておくことの価値は大いにアピールできたと思う(形見さんの語りなど、その証左となった)。「つくり方」としては、設計者よりもむしろ、地権者の話やファイナンスの話などがあるとよかったようにも思うけれど、もっとも、どこまで解き明かしたとしても「つくり方(方法論)」にはならないのかも知れない。それでも、倉方さんが言うように、横丁に対する感興を記述する計画言語がないのは事実だし、問題でもあるし、計画的につくれるような道筋を探るさまざまな作業、試行錯誤が必要で、この1冊がそのストラグルであることは確かだと思う。ナラティブ・プランニング、語られし思いからなる計画論(みんなの意見をポストイットに記してグルーピングして何かが見えた!といった営みとは決定的に違うものとして)の一端が見えた…ような気がした。…錯覚かも知れない。そう思うほど仄かにではあったけれど。目次をぱらぱら見るとまるで姉妹本のような三浦展『人間の居る場所』を続けて読んでみる(…予定)。
by mono_mono_14 | 2016-04-15 18:08 | 本/libro
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