人気ブログランキング | 話題のタグを見る

ONB『Alik』

 Orchestre National de Barbes。バルベス国立オーケストラ。そんな国はない。パリ18区にある移民の街。それをさながら独立国であるかのように見立てた気概溢れる(?)バンド名。気骨溢れるグルーヴ。『Alik(エリク)』。
 アラビア語4曲、フランス語5曲、サビのみイギリス語1曲。このサビのみイギリス語の1曲が素晴らしい。いや、アラビア語やフランス語の楽曲群も素晴らしいのだが。ストーンズの「Sympathy for the Devil」のカヴァー。UKの大御所に敬意を表して「イギリス語」と書いた次第。よく考えると、この曲は、オリジナルではなくブライアン・フェリーのカヴァーでしか聞いたことがない気もしてきたが、試聴も叶わなかった店頭で購入の決定打となったのは、この1曲がカヴァーされているからであって、その根拠なき期待に完璧に応えてくれたのだった。いや、かっこいい。恍惚と陶酔の6分間だ。
 もちろん、それだけではなく、オープニングからして前がかりで、一昨日よりクワランタ改めクワラントゥーノ(言いにくいぞ)の心肺機能ではアッと言う間に酸欠になりそうなところもよいし、そこはかとなくジミー・ペイジ風味のリフが渦巻いているタイトル曲のグルーヴもよいし、ときおり流れてくるアフリカな風も心地よいし、アコーディオンなワルツなんかも混じっているところもパリの薫りでよい。全体に、同じミクスチャーでも南イタリアやバルセロナよりも、どこかしら洗練されているように聞こえるのは、おフランスゆえか。多彩なグルーヴが疾走する佳作。
by mono_mono_14 | 2008-05-29 21:27 | 音/musica
<< サッカーのない人生なんて! 黄金週間 >>