テラス席
雨降りでなければテラス席でのご飯が気持ちいい季節・第2部が訪れた。昼でも夜でも。第1部は言うまでもなく梅雨に入る前の、僕が生まれた素晴らしい5月とかを指すわけだが、最近の5月は梅雨っぽい天気が多く甚だ不本意だ。逸れた。戻す。知らぬうちに秋は深まるものであるので、そのうちストーブに火が入り、テラスを覆う囲いなんかも立ったりして、それでもテラスで食べるというのは、大した屋外環境が得られるわけではない東京都心部ではなおのこと、何かの修行か求道なんじゃないかと思ったりするのだけれど、これからの1か月かそこらは、説明不要でテラス席に向かっていいと思う。向かった。と言うか、予約の電話を入れたら、満席だがテラスなら空いていると言われたのだけれど。待て。テラスから埋まるんじゃないのか。こんな季節なのに。選べればテラスを希望しようと思っていた僕はどうなるのだ。希望通りテラス席に座れるのか。じゃあいいんじゃないか。いいのか。いいのだな。どうなんだ。よかった。
頬を撫でていく夜風も、周りのテーブルのざわめきも、メインの華やかさに思わず歓声を上げ携帯で写真を撮る女性客も、テラスが面する路地を行き交う人たちが生け垣越しにときおり投げかける視線も、エントランスのメニューに足を止めるカップルの姿も、フランス人スタッフのミニマムな日本語も、大ぶりなブルゴーニュグラスに注がれるワインも、ヒラメのマリネも、仔牛のグリエも、なにもかもが素晴らしく好もしく思えたのは、テラス席でのご飯が気持ちいい季節のなせるワザでもあるのだと思う。右足のアキレス腱の辺りを1箇所だけしかし力強く蚊に刺されたことだけがいただけなかった。神楽坂のメゾン・ド・ラ・ブルゴーニュにて。
by mono_mono_14
| 2006-09-29 23:59
| 味/buono
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