SIRIUS B『Casa do Sol』

 シリウスB。ブラジル中毒のイギリス人のバンド(だということを、これまでに何作も聴いていながら、今作のライナーで僕は初めて知った(恥))。新譜の『Casa do Sol』も、よく考えるといいことか悪いことか微妙なのだけれど、予想を裏切らない曲づくり、音づくり。例によってやや端正ではあるけれど、耳だけクラブ通い(なんだそれ)の僕ゆえ、気持ちよく聴ける。ポルトガル語よりも英語の方がずいぶんとドライに響くので(注:当人比)、そのことも端正さとの印象を強めているのかも知れない。
 全曲を通して、控えめながら曲にドライブ感を与えているオルガン風味のキーボードが素晴らしい。ボーカルを取るのはアザーという女性。クールで伸びやかに歌っている(が、惜しくも僕の好みのど真ん中という声質ではない)。
 ビートルズの「Things We Said Today」のカヴァーがすごくいい。UKクラブカルチャーとブラジル音楽のいいところが融合したグルーヴィなアレンジ。炸裂するフルートのソロも素晴らしい。もう何年も(もしかしたら20年近く)聴いていないのだけれど、ビートルズのライブアルバムで若きポールがこの曲を紹介する時の口調を懐かしく思い出した(全く関係ない話だけれど)。ミルトン・ナシメントの「Vera Cruz」も前がかりなビート、「Marlborough Nights」の即興感ある演奏なども気持ちいい。ライナーによれば、カーニヴァルを題材にポルトガル語でオリジナルをつくるというチャレンジを試みたのだという「Un Grande Carnaval」は、サビメロの解き放ち方など、音づくりがところどころクリシェにとどまってしまっている。やはり彼の国のカーニヴァルに立ち向かうのは容易ではなかったんじゃないか。ブラジルへの敬意の表れということはよくわかるにしても。耳に残る部分もあるだけに惜しい。
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by mono_mono_14 | 2006-06-29 16:45 | 音/musica | Comments(0)
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