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ライフ・イン・ザ・シアター@THEATRE1010

 市村正親と藤原竜也の二人芝居『ライフ・イン・ザ・シアター』を北千住駅に直結した「THEATRE1010」で観た・・・と思う。と言うのもちょっぴり寝てしまったから。いや、決してつまらなくて寝てしまった、ということではなく、単に僕のコンディションが冴えなかったから、ということで(汗)。

 2人の俳優が演じるのは2人の俳優。思いがけずに凋落の途をたどることになってしまう年長の役者(市村)と、飛ぶ鳥を落とす勢いで駆け上がってくる若手俳優(藤原)の悲喜こもごもの物語。断章を積み重ねるようなスタイルだったので、少し舞台の世界に入り込みにくいきらいはあったのだけれど(寝てしまったりしたし(再汗))、エラそうになっていく若手とか、焦りがにじんでくるベテランとか、すごく沁みてくる人間模様だった。例えば、カズが急にバッシングを受けヒデが持ち上げられる、みたいな理屈では説明できない運命的な流れを思った。

 市村の舞台を観るのはたぶん3度目で、藤原の舞台を観るのはたぶん2度目なのだけれど、どちらも役どころをうまく表現していた。天狗気味の若手俳優を藤原はエレガントに演じていたし、こんなはずじゃないと思いながら、坂を転げ落ちていくのを止められないベテラン俳優を市村がとても味わい深く演じていた。市村の真髄(あるいはその一端)を観た思いがした。

 カーテンコールで、市村が差し出した右手を、藤原が頭を深く下げながら両手で握りかえした。この舞台の最初のシーンの再現のようだった。藤原クンには、演技でなく、本当にそのような心持ちで、これからの舞台人生を歩んでもらいたいな、などと思ったり。しかし、藤原クンはきらきらと美しかったなー。
by mono_mono_14 | 2006-04-08 23:59 | 芸/arte
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