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Paul Weller『As Is Now』

Mi sono ascoltato il nuovo cd del gran Paul Weller. Con cui Weller ci ha presentato la sua abilita' di creare la musica propria rispettando alla storia musicale, agli altri artisti ed alla sua carriera -the Jam, the Style Council ed ovviamente i fatti da solo. Mi piace questo album moltissimo e voglio andare al live!

 会社に泊まり込んで、でも椅子でうたた寝したりしつつ朝を迎え、ばたばたと病院へ向かい胃カメラ検査の結果を聞きに行く。心配することない重傷という感じ? 自分の内蔵の写真なんて初めて見た。真っ二つに割れた親知らずとか、最近、自分の体を思いがけない角度から再発見だ。・・・などという感慨に耽る間もなく会社に戻り、午後の会議の準備。タイムリミットぎりぎりで完成。またもばたばたと出かける。無事に(かどうかは評価が分かれそうだが)会議も終わり、HMVに寄り道。なぜならば。あろうことか、ポール・ウェラー御大の新譜が先月末に出ていたのも知らずに一昨日まで生きて来たのだ。って5日間ですが。しかし、その後、今日までのこの2日は待ち遠しかったぞ。以上、枕。



 何はさておき聴いてみる。いそいそ。終わったら再びプレイボタンを。それが終わったら再びプレイボタンを。それが終わったら以下略。そんなことしながら曲ごとインプレッション。

■As Is Now / Paul Weller ■

01:Blink and You'll Miss It イントロのギターがカッコいい。ポールの歌も第1声からハイテンション気味。シンプルで骨太なロック。ギターのロック・バンドはこうだろう、という曲。自分のいちばんニュートラルな立ち位置を示しているのかも、なんて思ったり。どことなく“宣言”的に響いたから。
02:Paper Smile 最近のウェラーっぽい曲。最近というかソロという演り方を確立して以降、という感じ。つまりウェラー節なのか、そういうことなのか。アレンジがちょっとスモール・フェイセスっぽい感じを受けた。
03:Come on / Let's Go おぉポップだ。青いと言ってもいいほどだ。つか、そもそもタイトルからしてベタベタだ。ジャムの頃の勢いを醸しつつマチュアな声。曲は若く青くても若いバンドでは到達できないであろう境地。ヴォーカル、うまくなってんよなー。
04:Here's the Good News お茶目な曲調。ピアノがかわいくて、つい頬がゆるみ横ノリで揺れてしまう。間奏のホーンたちも味わい深い。どことなくポール・マッカートニー風味を感じる。
05:The Start of Forever 穏やかで柔らかでメロディアス。落ち着いたオトナのピクニック、澄んだ空を気持ちよく雲が流れてそう、そんな曲。しかしアウトロだけ妖しげにクロさを増す。ほの暗いバーで紫煙がくゆっている感じ。
06:Pan メッセージに重きがありそうな。苦悩する主人公が歌うミュージカル・アリアみたいな。なんとなく、あんまりこういう雰囲気の曲はやってこなかった気がする。
07:All on a Misty Morning 前曲の余韻を受けるかのような重めのトーンのストリングスで始まり、力強いアコギが引き継ぐ。かっこいい。弾いてるのはスティーブ・クラドックかも知れないけど。アルペジオとかときおりケルトっぽい、というか少しツェッペリンを思い出した。あるいはMUJIのCDっぽいのかも。
08:From the Floor Boards Up ギターもヴォーカルもカッティングが効いている。割と珍しい感じの曲じゃないかな。少しエキゾチックなスパイスが利いていて。あまり食べないメニューを気まぐれに頼んでみようと思ったんだよね、みたいな。おもしろそうだから演ってみたんだよ、という感じ。で、悪くないお味。
09:I Wanna Make It Alright 少しクラシカルというかオールディなムードのあるロマンティックな曲。ざわめくロビー・ラウンジとかボールルームとかで鳴ってそうな(ちょっと違うか)。ヴォーカルも艶っぽい。低音が強調されたピアノが印象的。
10:Savages すがすがしい心持ちで大地にしっかりと立ち上がっているような、本人にとってだけ大事な、小さな決意の瞬間を捉えたような曲。そういう世界観が広がった。僕にはね、という話です、ええ、もちろん。
11:Fly Little Bird 前曲からそのまま演奏が始まる。組曲(一対の2曲)なのかも知れない。やっぱり、ぎこちない意志の表明のような曲調で、クライマックスのコーラスはゴスペルふうの荘厳さも帯びている。
12:Roll Along Summer ジャジー。スティーブ・ホワイトのドラミングがカッコいいな。低音弦がうねるようなギターの伴奏も雰囲気よし。ちょっと「Afro Blue」を思い出したりして。
13:Bring Back the Funk -pts 1 & 2- 香り立つファンク。かっこえー。グルーヴィ。下品にギラギラしてないのにビリビリ来るって失語症か。アコースティックギターが裏でずっと鳴り続けていて、その響きがカッコいい。こういうファンクを演りたいと思う日本のアーティストは多いんじゃないか。このアルバムのハイライトトラック(の1つ)。
14:The Pebble and the Boy クラシック調のピアノ。ストリングス。スタカンの「Confessions of a Pop Group」を思い出した(ふと見るとライナーノーツにもそう書いてあった。・・・ライナーを見て書いたんじゃないです、ほんとです、うそじゃありましぇん)。曲調は全然違うのだけれど、なぜだか不意にビートルズの「Golden Slumbers」も思い出した。
【日本版ボーナストラック】
15:Oranges and Rosewater そよ風のようなアコースティックギターのアルペジオ。前奏、超ステキ。枯淡の味わいと言えそうな声。しぶい。間奏で国籍不明なエスニック感が漂う。ちょっと笑える。あと、タイトル、かっこいいよな。
16:Shine on ライブ感に満ちた1曲。最初に聴いた時はライブテイクなのかと思ったよ。ボーナストラックだけれど、いかにもアルバムの最後に収められてそうな曲。演奏後にもう一度プレイボタンを押させるヴァイヴあり。

 詩を聞き取れず、そのくせ歌詞対訳も読まず、ライナーも読まず、ただただ聴いた印象を書き留めただけなので「・・・な感じ」とか「・・・風味」とか「・・・みたいな」とか、そんなのばっかりでスミマセン。詩が描く世界が無視されたインプレッションで、かなり片手落ち。
 途中でも少し書いたけど、ヴォーカルがすんごくイイ、というかスゴい。1作ごとにヴォーカルがうまくなってる。枯れていきながら張りや艶が出ている。矛盾じゃないのか、これは。じゃないんだろうな。とにかく声という楽器の存在感、演奏力が素晴らしい。DVDとか観ると歌だけじゃなくてギターも鍵盤もうまくなってるんだけどね。かっこえー。
 一聴してトリコになる、みたいなキャッチーなアルバムというわけではない。「Cafe Bleu」とかは一聴してドカンとヤられましたが。その傾向はここ何作も同じ。それでも、このアルバムは、わりと幅広いレンジの音楽を楽しんでいると思う。しかし、それにしてもソロになってからのポール・ウェラーは、聴けば聴くほど染み入ってくる。演奏のディテールにも気づいてくる。アコースティックな音を多用しても、紛うことなきロックが鳴り、グルーヴ感を生み出している。かっこえー。時間とともに豊潤に香ってくる音楽。ワインなのか。でも、若く熱い魂は完璧に健在で、そういう意味ではまさにスピリッツ、ロンドン・ドライ・ジンのようでもある。ずいぶん違うが、どちらにせよ気持ちよく酔えるわけで、いつもより少しボリュームを上げて、さあ、そこのあなたも乾杯しよう! って意味不明。
 この熟成具合で「My Ever Changing Moods」や「Long Hot Summer」も演ったっていうんだから、なんで去年のロック・オデッセイに行かなかったんだろう。行く気になれば行けたはずなのに。んー後悔だー。求む、再来日公演!!
by mono_mono_14 | 2005-10-05 23:29 | 音/musica
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