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あるライブに思ったこと。

Mi sono visto un live dei miei amici. Loro sono stati molto brillanti sul palco. Ho sentito i grandi valori nelle loro musiche, soprattutto loro continuita' delle attivita' musicali. Bravi, complimenti!

 中学卒業以来(より正確には2年生から3年生になる時に別のクラスになってからと言うべき)、30年以上を経て、かつての級友が小さなライブのステージに立つのを観に行く。飲食系雑居ビルの5階にある小さなライブハウスでは、アウェイ感というか、身の置きどころのない感じというか、そんな気分をひしひしと感じるに決まっていることはわかっていた。開場は17時半。開演は18時。その友だちはオープニングアクト。遅刻は厳禁、しかし早すぎる到着もつらい。そんなことを悶々と思いながら、しかし家を出たのは、オンタイムベースで言えば小一時間も早い時間だった。出発どきを家で待っているという状態も落ちつかなかったのだ。乗換駅の辺りで無印良品を冷やかしたり、駅の立ち食いそばで腹ごしらえをしたり、トイレを済ませたり。会場のビルまで来てからも数分ほど辺りをうろうろした後に、ま、いいやとエレベーターに乗り込んだのは、開演15分前くらいの時間だった。
 受付で名を告げる。チケットのメール予約の際にどの出演者の関係者かを書く仕組みになっていて、僕はその級友の名前を書いていた(実は、もうひとり、そこに書くべき出演者の候補もあったのだけれど、今回はこっちにすべきだと思ったのだ)。級友の名も告げる。受付のひとりが「そのヨメです」と言った。こういう先制パンチはまったく予期しておらず、意味不明にしどろもどろになったりした。
 フロアにはそこそこ人が入っていたけれど、どうにかまだ誰も座っていない隅っこの4人がけのテーブルを見つけることができ、ビールを片手にその一番奥の席に潜り込んだ。あとは、ただ、彼を筆頭にいろいろな人が順繰りに繰り出す弾き語りに身を委ねていればいいはず。少し落ち着いた。友だちがふらっとステージに上がり、セッティングを始めた。

 すごくよかった。

 ライブは、何人かが順繰りにソロでアコースティックギターの弾き語りをやり、そのうちに3人くらいのバンド編成になり、そうこうするうちにエレキギターに持ち変わり、最後には全員でセッションして終わった。18時に始まったライブが終わったのは22時を優に過ぎていた。

 余韻の残るフロアは、徐々に帰り支度だ。僕も1時間以上かけて帰らなければいけないのだ。僕は、ステージ上で機材の片づけに取りかかる級友に近づき小さく声をかけた。メールした時には思い出せないと書いていた彼は、僕を見て「思い出した!」と言った。ほんとうかー? と訊き、彼は思い出したと繰り返した。「ずいぶん横に広くなったね」とも。僕はきみんちの2階で初めてエレキギターを弾いたのさーと30年以上前のちっぽけな出来事を持ち出し、彼は、そうだねーそうだねーとニコニコしていた。ライブはどうだったかと訊かれ、もちろん、すごくよかったと答えた。ほんとうかー? と訊かれ、僕はほんとと返した。わけもわからず何度も握手をし、必ずまたライブを観に行くことを約して別れた。

 出口のところで、出演者自らが手売りしているCDを2枚買った。そのうちの1枚は、今日、初めて知り聴いた人のものだった。ライブ中から彼の演奏には惹かれるものがあった。CDを買ってもらえるとありがたいと何度も言っていたけれど、そんなMCがなくても買っただろう。盤面にサインをしてくれた。行けるライブがあったら行くと伝えた。ちなみにもう1枚は、高校の同級生が暮れに出した新曲だ。

 商業的な成功とはまた別の次元のものとして、音楽をやり続けていることの輝きがあった。心打たれた。No Music, No Life— まさにこの語がぴったりだと思った。音楽を携えて歩み続けている彼らの人生におめでとうを送りたい。何かを携えてこその人生だよなということを強く強く思ったひとときだった。行ってよかった。
あるライブに思ったこと。_b0018597_2256206.jpg

by mono_mono_14 | 2015-01-14 22:22 | 雑/quotidiana
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