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セウ・ジョルジ『クルー』

Ho comprato un CD di Seu Jorge, un artista brasiliano. Non ho mai conosciuto niente su lui ma la giacca di disco mi ha sembrata interessante. Non e' la musica forte ma impressionata. In questa musica sento dei sentimenti di malinconia e tristezza ma nello stesso tempo posso sentire qualcosa positiva, come la musica brasiliana e' cosi' solitamente.

 土曜日、髪を切りに(僕用語では“ヅラを新調しに”)行ったついでにCDを買った。セウ・ジョルジ(Seu Jorge)。ブラジリアン・ソウル=ファンクのシーンの中心人物のひとりだそうなのだが、これまで未聴だった。『モロ・ノ・ブラジル』や『シティ・オブ・ゴッド』といった話題を呼んだブラジル映画に出演もしていたそうなのだが、あいにくどちらも観ていない。つまり、ほとんどセウ・ジョルジのことは知らないのであった。名前だけは中原仁さんのウェブサイトやらブログやらで見かけていたにしても。それにも関わらずこのCD『CRU(クルー)』を買ったのは、サンバ・ファンクがどうのこうのというWAVEの店員さんの手書き惹句と駆け足試聴の雰囲気(クールだった)、モザイク画のようなちぎり絵のようなジャケットがカッコよかったことなどが理由。
 10曲入りで40分を切るコンパクトなこの作品は、サンバだのファンクだのといったコトバが想起させるノリや艶やかさとはやや趣の異なる、どちらかと言えば控えめでむしろ禁欲的な音が響く。ただし骨太だ。どこかしら映画音楽のようでもあり、ちょっとフランス吟遊詩人ふうなところもある(えっと、霧雨に煙るセーヌ河畔で物思いに耽る、みたいな)。訥々とやや憂いを帯びた音を紡ぐカバキーニョ(ウクレレと同根らしい弦楽器だそう)やギターの音色が心地よい。M-1「TIVE RAZAO(チーヴィ・ハザォン)」、M-10「EU SOU FAVELA(俺はファヴェーラ)」が気に入った。
 サンバを貫くのは切なさや寂しさといった感情だと思う。それは、Monarco『Monarco』(モナルコ「ポルテーラの誇り」(これ、名盤だと思います))を聴きまくった時に感じたことなのだが、この『クルー』を貫くトーンも切なくもの悲しい。でも、必ずしも暗いというわけではない。ブラジルの音楽は、いつもどこかしらポジティブな空気が漂っている。ボールを持ったロナウジーニョみたいだ。
by mono_mono_14 | 2005-03-13 23:59 | 音/musica
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