エセ弁当男子

 古米があまった。前の晩に炊いた残りご飯のことだ。本当は今日の夕食だったはずなのだが、あまりの寒さに、消費期限を1日超過したラーメンに、主食を切り替えてしまったのだ。日付が変わろうとする頃、ひとり嬉々としてラーメンをつくるダイエット真っ最中の43歳児。
 そんなわけで、テーブルに古米があまっている。今日の夕食だったはずなのに、このままではゴミ箱行きだ。思い立ち、明日の弁当箱行きを命ずることにした。チャーハンおにぎりにして、会社に持って行こうという算段だ。何しろ、深夜にラーメンを完食した43歳児は、ダイエット真っ最中なものだから、最近、昼食は非常に軽めに仕上げているので、ラーメンに浮気されて呆然としている、このご飯1膳強ほどの古米は、ちょうど手頃な分量に思えたのだ。
 ラーメンを完食した深夜のさらに夜更けに、ひとり嬉々としてチャーハンをつくる43歳児。そういうときには教科書は見ない。教科書クッキンガーの風上にも置けないが、風下くらいには置いてほしい。古米、卵、高菜、食べるラー油、ほぼ日の味海苔(塩味)。では、はじめましょう。
 主として気分的な理由でサラダ油ではなくゴマ油を小鍋に引き、古米を投入。さっそく鍋肌にくっつく古米に焦り、さらにゴマ油を投入。まあいいや、と溶き卵を投入。ひたすら混ぜる。混ざったような気がしたところで高菜を投入。ひたすら混ぜる。コショウと食べるラー油を投入。ひたすら混ぜる。全体のべたつき感がなくなったように見えるまでひたすら混ぜる。以上。
 冷ます。海苔も巻いてしまって冷蔵庫に入れようという算段だ。おにぎりにできる程度には冷めた。では、にぎりましょう。
 ラップを広げ、チャーハンを盛る。握る。イマイチまとまらない。もしや、パラパラチャーハンの証明か。やるじゃないか、43歳児。しかし、今はまとめたいのだ。ベタベタチャーハンでもいいくらいなのだ。実際は、パラパラはしておらず、むしろオイリーで、それゆえにまとまらないのかも知れない。誰かがゴマ油を投入しすぎたのやも知れん。ともあれ、ラップで強引に形にして、海苔を巻く。巻こうとするとおにぎりが崩れようとする。海苔が絡まったばらけ気味のおにぎりを、再びラップで強引に形にして冷蔵庫へ。そこはかとない満足感に浸る43歳児。
 翌朝。朝食のおかずが若干あまった。このままではゴミ箱行きだ。急きょ弁当箱行きを命じることにした。おにぎりふたつと小さいタッパーをジップロックに詰めていそいそと出社。弁当男子と呼んでくれ。ん? 男子じゃない? え? 高齢すぎる? なるほど。一理あるね。じゃあ、弁当人でどうだ。読みは「べんとうびと」で。
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by mono_mono_14 | 2010-11-18 17:27 | 味/buono | Comments(0)
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