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偉業に思う

 昨日来、BBCのウェブサイトでチリのレスキューの生中継を観ていた。人間のとてつもなさに打たれまくった。今後、33人の証言が、人間のとてつもなさを、さらに伝えてくれるだろうと思う。
 もともとは鉱山そのものに安全対策上の不備が大いにあり、この事故は人災でしかないようだが、そういう鉱山でとにかくビジネスをやっちまおうという、そちらの意味でも人間のとてつもなさを感じる。そういう鉱山に労働者を送り込むのも人間、69日間を生き抜き生還するのも人間。英雄的リーダーが33番目に地上に戻ってくるのを始業前のオフィスのiMacで観ながらうるっとくるのも人間(僕だ)、その画面を見やりながら、この人、奥さんと愛人のどっちと先にハグするかなー、それが最大関心事なんだよー、とか言ってのけるのも人間(名は秘す)。

 「計画」ということについても考えさせられた。当たり前と言えば当たり前なのだけれど、何かに向かう意志を結集し、動きだし、動き続け、何に向かおうとしているのかを見失わずに、必要な修正をためらわず、そして、とにかく向かおうとするところへ向かい続ける、それが「計画」と呼ばれるべき何かなんだな。「計画」があり「実行」があるのではなく、「計画」は「実行」を内包していなければ意味がないんだな。実行に先んじて立てるプランが「計画」なのではなく、実行こそが「計画」そのものなんだな。「計画」と「実行」には確かにニワトリタマゴな側面もあるけれど、だからこそ実行オリエンテッドな態度の方により意味がありそうだな。そう思ったのだ。
 以上、偉業と呼ばれるべき計画の実行を目の当たりにして思ったことを、「都市計画コンサルタント」の自戒と備忘のためにメモ。
by mono_mono_14 | 2010-10-14 16:36 | 雑/quotidiana
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