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周杰倫『魔杰座』

 リリースしてすぐくらいから存在には気づいていたものの、なかなかレジへ運ぶに至っていなかったのは、ひとえにパッケージのサイズがイレギュラーだからだ。とうとうレジに持って行ったのは、ひとえにホロ酔い加減だったからだ。たぶん。周杰倫『魔杰座』。ジャケットの雰囲気は、ちょっと遠くへ行ってしまったような印象がある。
 以下、お約束的全曲寸評。

01「龍戦騎士」:ジェイらしいシアトリカルなオープニング。心持ちUKポップ風味なアレンジ。僕の嗜好的にはBメロがいい。サビにどこかしら往年のエイジアのような印象があった。
02「給我一首歌的時間」:佳曲。メロウなジェイ・ポップ。ジェイ調。・・・寒。いつまでもその辺りをひらひらと離れようとしない蝶のような優しい曲。ジェイ蝶。・・・再寒。こういう曲に僕はどこかしら桑田佳祐を感じてしまう。
03「蛇舞」:リミックスのようなアレンジ。どうせなら(と言うのは僕の言いがかりだけれど)、もっとケミカル・ブラザーズのようにしてみたらいいんじゃないかと思ったり。でも悪くない。
04「花海」:安定したジェイ・バラッド。美しい。こういう曲は、たぶん、ほんとに、いくらでも書けるんだろうな、と思う。ギターのアルペジオがきれい。おそらく意図的に危なっかしいジェイの高音もいい。
05「魔術先生」:前作の雰囲気を受け継ぐような1曲。引用もしているような気がする。街にサーカスがやってきた、みたいな感じ。実は悪くない。曲調は全く違うけど、サージェント・ペッパーズ(あるいはJovanottiの「Il Re」)。
06「説好的幸福呢」:ロマンティックなイントロ。語りかけるような甘く切ないヴォーカル。ポール・ウェラーもやっている感じのストリングス。静かにドラマティック。
07「蘭亭序」:中華的で叙情的。伸びやかなスケールと「音」としての歌詞が好もしい雰囲気。こういう曲にジェイを聴く価値(だか意味だか)があるんじゃないか。それが外国人リスナーの身勝手なキブンだとしても。
08「流浪詩人」:ジェイ・ブルーズ。山崎まさよし風のハープ。初期ビートルズ風のギター(間奏)。レトロスペクティブなアレンジ。
09「時光機」:ジェイらしい可愛げで明るい汎東アジア的ポップソング。僕は全く詳しくないので心当たりすらないのだけれど、誰か日本のアーティストがカヴァーに挑戦してみたりしたらいいのに、などと無責任&無根拠に思う。
10「喬克叔叔」:ラテン風アレンジに乗せた小芝居風ラップ調ポップ。さりとて、正直、僕の耳に特徴的に響くわけでもなかったりする。
11「稲香」:フォークギターを買った幼き頃を思い出してしまうイントロ。それはさておき、その後の音(声)の置き方は、ストリングスのアレンジと合わせて、とてもよい。ファーストインプレッションの範囲では僕的ベストトラックかな。ちょっとつくりが若すぎる気もするけど。でも、それがよいのではないか、と。
by mono_mono_14 | 2008-12-12 02:45 | 音/musica
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